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日曜日の朝、私と桃子ちゃんはリビングで姿勢を整え一言も声を発さずバラエティ番組を見ている。
そう、今日は昨日言っていた新しい同居人が来る日なのである。
誰がどのような態度でいつ来るのか分からない状態なので私達は緊張していた。
すると、ピンポーンと家にインターホンが鳴り響く。
「あ、多分新しい人だよ!」
と桃子ちゃんはトコトコと小走りで玄関へ向かっていく。
純粋で好奇心旺盛の彼女は怖いもの知らずかの様子だった。もし、これでヤンキーとかだったら私はもうやっていけない気がする。
ヤンキーを注意することなら出来るが一緒に住むとなると多分精神的に死ぬと思う。
と、そんなことを考えていると聞き慣れない声で「お邪魔します」という声が私の耳に入り込んだ。
「きゃあ!美人さん!これから宜しくねっ!」
いつもの調子の桃子ちゃんから私はきっと優しそうな人なのだろう、そう安心し玄関へ向かうと。
「咲良です。これからよ、ろし……く」
これからよろしくの『よ』の辺りで新しい同居人を見たのだが予想を180度反する人だった。
「よろしくお願いします」
まぁ、礼儀は正しいのだろうが……1番やめていただきたいのは服から見えるタトューである。
何か、めちゃくちゃタトューだし……語彙力が落ちるほどガチガチのタトューだし。
しかも、絶対見た事ある顔だし。
絶対私が注意した子じゃん、と冷や汗がタラタラ流れてくる。
こう見えて、私は意外と弱い人間である。この場から逃げたしたくなる自分を『大丈夫大丈夫』と平常心を保とうとした。
「あれ、お姉さん前会ったことありますよね?」
はい、終わった。
どこかで、人生の終わりのチャイムが鳴り響いた気がした。
私は「あはは」と苦笑い。
彼女と私に挟まれた桃子ちゃんは意味が分からないとでも言うように「え、え?」とアタフタしている。
あれ、私これから大丈夫かな。
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ゆ - 尊い (2019年5月12日 17時) (レス) id: 0c30cd4e30 (このIDを非表示/違反報告)
名無しのキッコーマン(プロフ) - 途中までしか見ていませんが、とても僕はこの作風好きです!これからも更新頑張ってください! (2019年5月5日 18時) (レス) id: 6ae7a02465 (このIDを非表示/違反報告)
雪見だいふく(プロフ) - ありがとう御座います!そんなこと、あるんですね笑 もしかしたらその小説の作者さんと気が合うかもしれません笑(?) (2018年12月31日 14時) (レス) id: b9c47787f2 (このIDを非表示/違反報告)
Fall ill apple(プロフ) - お気に入りさせてもらいました。余談ですが私の好きな小説の主人公(?)と同姓同名で少し驚きました…笑 (2018年12月31日 13時) (レス) id: c31f5fcd9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪見だいふく | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mayu02071/
作成日時:2018年12月29日 16時