16話 ページ21
「由梨さんってホントにかっこいいよね」
私は、由梨さんと同じバイト先で働いている女子高生である。
私は特別女性が好きというわけではないのだが。
由梨さんのカッコ良さと言ったら女性をも魅了してしまう。
そんな話を、仲の良いバイト先の同級生と話していた。
「付き合ったら幸せにしてくれそうだよね」
この子、分かってる。恋バナでもしているような甘い雰囲気が溢れ出ているこの場で、周りから見たらまさか女性の話をしているとは思っていないだろう。
居酒屋で働いている私達は、とても忙しくチームワークがないと成り立たない仕事でもある。
ｰｰｰ私が前に酔っ払ったおっさん達にセクハラまがい行為をされていたところに、由梨さんは来てくれた。
それまでは美人で怖い人だとしか思っていなかったのだが、『か弱い女の子に何やってるんですか』と困って泣きそうになっていた私の元へ駆け付けてくれた。
『こういうの1番ムカつくんだよ』と、由梨さんがおじさん達とかなり激しい口論をしていて、最終的には店長が止めに入ってきたがその瞬間に私の心は由梨さんによって撃ち抜かれた。
そんなことも恋バナのように4人の同級生のバイト仲間と話していた。
すると、由梨さんとはあまり関わりのない1人の子が声を放った。
「由梨さんのすっごい話、聞きたくない？」
と、コソッと小さな声で私達に言葉を投げかける。
その瞬間、全員の目がキラキラと光ったことが理解出来る。
由梨さんの凄い話……？これは、聞く以外に何がある。
「聞きたい」と全員の意見はすぐさま一致し、彼女は怪しくニヤっと口角を上げる。それにつられ、ゴクッと息を呑む私達。
「前の、休憩中の話なんだけどｰｰｰ」
ｰｰｰたまたま、電話をしていた由梨さんに出会って、コソッと盗み聞きしちゃってさ。
『今日はお預けです。……っもう、好きなのは私もですから』って……
彼女の話が終わると、それは勿論すぐさま大発狂。
好き、あまりにも好きすぎる。
これが世で言う“尊い”というものなのだろうか。
ただ、間違いなく分かるのは今の話にキュンとしている私がいることだ。
しかしそれは私だけではなかったらしい。
「結婚したい」
と、私が思っていたことと全く同じことを発するバイト仲間。
やはり、由梨さんはとんでもなくカッコいいということが理解出来る。
「き、君たち、仕事もしなさいね」
と。ポツンと置いてきぼりにされていた店長は声を放ったのだった。
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ゆ - 尊い (2019年5月12日 17時) (
レス) id: 0c30cd4e30 (このIDを非表示/違反報告)
名無しのキッコーマン(プロフ) - 途中までしか見ていませんが、とても僕はこの作風好きです!これからも更新頑張ってください! (2019年5月5日 18時) (レス) id: 6ae7a02465 (このIDを非表示/違反報告)
雪見だいふく(プロフ) - ありがとう御座います！そんなこと、あるんですね笑 もしかしたらその小説の作者さんと気が合うかもしれません笑(？) (2018年12月31日 14時) (レス) id: b9c47787f2 (このIDを非表示/違反報告)
Fall ill apple(プロフ) - お気に入りさせてもらいました。余談ですが私の好きな小説の主人公(？)と同姓同名で少し驚きました…笑 (2018年12月31日 13時) (レス) id: c31f5fcd9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪見だいふく | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mayu02071/
作成日時：2018年12月29日 16時
