検索窓
今日:5 hit、昨日:1 hit、合計:25,712 hit

ページ14

・・



『え…黒木、さん?』

「そうだ。同じ高校に黒木さんの娘さんがいるらしいんだけど、知ってるか?」

『…あぁ。友達だよ。黒木さんとは』





そうかそうか、友達と家族になるなんて変な感じかもしれないな。すまない。

そう謝る父さんを見て、別に気にしないよ、初対面よりもずいぶんマシだから、と声をかける。
話によると、あと何週間後かに顔合わせして籍を入れるらしい。そのあとAの家に引っ越す、だそうで。

どうやら俺もAも再婚には賛成していて、新しい兄弟ができるとなっても別に気にしないところが同じみたいだった。
まあ俺らとしては高校卒業したら家を出るわけだから、その後の親の幸せを優先して考えるまでなんだけど。だからそれもあって、顔合わせしてすぐ籍を入れるらしい。

父さんの話を最後まで聞いてから、明日小テストあるから勉強するわ、と言って自室にこもった。






こんなことって、ほんとにあるのかよ。

俺はAが好きだ。

そして俺の勘違いでなければ、二人でいることにAの方もまんざらでもない様子、だと思う。まあこれは言いすぎかもしれないけど。
少なくとも、いやきっと確実に、Aは俺のことを嫌いには思っていない、むしろ好印象な…とまではやっぱり言い切れないか。


ガチャ、と自室のドアを閉める。


誰も聞いているはずのない心の中でさえ、Aからの好意に確信を持つ言い方をすることが出来ない俺だけど。正直言ってそれはたぶん謙遜だ…とも、思っている。

ああ、Aが俺と同じ気持ちかどうかはこの際どうでもよかった。俺だって男だ。たとえ全く勝算のない告白だって、俺はAに告白するつもりでいた。
そんな時にこれか。


勝算とか、そういう問題でもないんだ。


兄妹になってしまえば、二人とも男女というステージからも引きずり降ろされる。言い方によっちゃ昇格するのかもしれないけど、今の俺にとっては。







『冷たいよな、マジで』







何もかもに無気力になって、その日はそのまま眠ってしまった。



・・

+++++

いつも見てくださってありがとうございます、作者です!
たくさんのお気に入り登録、hit数、そして順位もつけていただき本当に嬉しいです!
私生活で色々と立て込んでおりまして、思うように更新できずに…すみません。
出来るときに更新する形になります…

これからもよろしくお願いします!

゜→←・



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (53 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
152人がお気に入り
設定タグ:キヨ , 実況者 , 短編集
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:さつき | 作成日時:2020年8月12日 3時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。