【文スト】古書屋堂の幸運の持ち主【男主】

6話 ページ6

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探偵社の人達に助けてられてから不運にも見舞われず、数日は不思議と普通に過ごせた。




しかし、連日の雨模様で古書屋堂にはお客さんが誰一人居ないのに慌ただしくなっている。


古本を扱っている以上、カビが発生してしまうのはしょうがないのだが、流石に連日降られると困ってしまう。


最近は店の裏の路地裏にたまにやって来る猫に餌をあげるのもできていないのだ。



『あー...お日様が恋しいなあ...』


そう一人呟くも虚しく雨は振り続ける。


せっせと本棚の整理をしながら湿気の対策をしていると、ふと太宰さんの問を思い出した。


『不幸体質か...何時からかなあ...』


不幸体質と言っても大半は僕の不注意でもある(本当は無いと信じているが)ので運のせいでもないのだが、改めて考えると沢山ある。




『あ〜、駄目駄目。掃除しよ。』


昔、両親に笑顔でいればきっと良い事がある。と言われたのを思い出し、今日のお昼ご飯について考える。


『久しぶりに外食でもしてみようかなあ...。
新しい大型ショッピングモールも出来たみたいだし…
そこに行こ！』



僕は掃除を急いで終わらせ店を閉め、お気に入りのパーカーを手に取る。


気分転換のついでに日用品も買い足しに行きたい。




『それじゃあ、行ってきます！』


玄関口の今は亡き両親の写真に声を掛け、店兼家を出た。

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