【文スト】古書屋堂の幸運の持ち主【男主】

18話 ページ18

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いきなり目が覚めると見覚えのない場所に居た。


『此処は...病院か...？』


徐々に目も冴えてきて、脇腹の痛みもこの場にいる理由も思い出した。


『(そうだ、外食したら事件に巻き込まれて...)』




あれからどれ位経ったのか、誰かが持ってきてくれただろう僕のお気に入りのパーカーと果物とが沢山置かれている。





あの時渡されたメモには



“ シャッター開ければ時限爆弾が作動する。でもAくんなら大丈夫だ。太宰 ”



と書かれていたのだ。


いつの間に、それにどうやって太宰さんがメモを寄越したのかは解らないが、あの時の僕は、絶対に人質を助けられると感じていた。



全員怪我もなく無事なのかは解らないが、病室備え付けのテレビのニュース番組で大々的に報道されていないところを見ると大丈夫であったのだろうか。


『良かった...。』



一人、安心しきっていると病室のドアがバンっと大きな音を立てて開いた。伊藤さんだ。


伊｢Aくん！！怪我は！？現場に居たのは驚いたよ！！やっと起きた！無事で本当に良かった...！｣



相変わらず熱血なところは変わっていないみたいだ。
でも、堅いの良いおっさんに抱きつかれるのは勘弁してほしい。

これで趣味が茶道なんてどうかしている。



『はい、ありがとうございます。御迷惑お掛けしました。』


そう言って軽く伊藤さんを体から離すと今度は両手を強く握られた。


伊｢君に何かあったら俺は、君のお父さんに何と言えば...｣



伊藤さん、僕、病み上がりです...。

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