不完全。{土方 十四郎}

わかる[夢主] ページ43

『えと、これはですね』



土方「全部見てた」





恥ずかしい。
顔が赤くなるのがわかった









急に視界が暗くなる

私を包み込むぬくもり。






『土方さん……?』



土方「十四郎。」



『と、十四郎さん。どうしたの？』





そう聞けば、いっそう抱き締める力が強くなった。





土方「夢……じゃねェな」





低い声がくすぐったくて

土方さんがなんだか可愛く思えて





『私はちゃんと、ここにいますよ』





小さい子供をあやすように、大きな背中を撫でた。









いいことばかりじゃない、厳しい世界で生きてきた人


私もそう。私にもわかる。



嬉しいことがあったときはまず最初に現実じゃない可能性を考える



そして、現実であったときの喜びがどれだけ大きいかも…
私にはよくわかる。









抱き合ったぬくもりは、確かに本物。

夢じゃ、ない。

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