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74 体内都市脱出計画 ページ40

「じゃあ、脱出するための手段考えるよ」


ユーゴが手を叩き、どこからか取り出したホワイトボードに丁寧な字で「体内都市脱出計画」と書き起こす。
集まった協力者は、ダイゴ、コウキ、勝木。
総勢五人でこの都市から脱出する、ということだ。
この都市についての説明を改めて新入りの彼らに行ったユーゴは、まだ元気があるようで、計画会議の議長までやるつもりらしい。


「壁を突き破るのが一番有力な手段やな」
「そうやね。上へ登ってアルクローネの口から出るのは得策じゃない」
「ダイゴとコウキは下で他の能力者達への対処や。ダイゴが見た目で脅せば何とかなる」
「ええ…」


勝木、ユーゴ、勝木とテンポよく続いた作戦がダイゴの控え目な呟きでさえぎられる。
確かにダイゴはデカいし強そうだし、その巨体で下の能力者を脅せば、何人かは気絶させることができそうだけど…。
本人がめちゃくちゃ嫌そうだ。
ずっと手と首を振って拒否している。
私は助け船を出すつもりで、手を挙げて質問した。


「何で他の能力者に対処しないとダメなの?」
「この都市はアイツ等にとって楽園や。
 俺らがそれを潰そうとしたら、どんな勢いで阻止しようとしてくるか分からん」
「だから、人員的に…」


ユーゴがホワイトボードに無駄に上手い図を描く。
真ん中の穴まで再現された都市と、その都市の壁を突き破る人の図。


「下の能力者を抑える奴が二人で」


キュッと音を立てて、都市の下側が円で囲われる。


「上で脱出口をつくる奴が三人やな」


突き破る人が囲われ、3と書かれる。


「じゃあ、俺とダイゴは下で抑えするわ」
「えぇ!?コウキ、俺嫌だよぉ…!」
「俺らがそこ適任やから、しゃーないやん」


美少年、コウキがダイゴを掴み、ホワイトボードの円で囲われた都市の下側に名前を書いた。
ダイゴはしぶしぶ、本当にしぶしぶ、名前を書く。
…何だろう、小学校の時の委員会決めみたいなデジャヴを感じる。
私小学校行ってないけど。


「じゃあ、俺らが上やな」
「おう。A、ここでええな」
「うん」


勝木が私に確認をとり、ユーゴに名前を書いてもらう。
これで配置は決まったけど…。


「…あ、ダイゴ、これ確認やけど、この都市にいる能力者は全員殺すつもりでやってや」
「えぇ!?なんで!?」
「この都市に居る奴らが、アルクローネに力を渡しとるから」


…なんで?
ダイゴと同じく、私も頭にハテナマークが浮かんだ。
ここに住んでる人は何も関係ないじゃん。


 

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フール(プロフ) - アイウエオだよさん» 一応ピポポポのつもりです。分かりづらくてすみません…。ピポポポを使うところは話数的に自然消滅しました…。能力的には某竜依頼のパルプン○です。 (2019年4月3日 2時) (レス) id: baf0519c25 (このIDを非表示/違反報告)
アイウエオだよ - 鬱先生の“あの能力”とは‥‥‥ (2019年4月3日 1時) (レス) id: 7bcfa840f4 (このIDを非表示/違反報告)
フール(プロフ) - テルさん» ありがとうございます…!これから少し忙しくなるので、更新が遅くなってしまうかもしれませんが、頑張ります! (2019年3月25日 20時) (レス) id: baf0519c25 (このIDを非表示/違反報告)
テル - 更新来た!無理せず頑張ってください! (2019年3月25日 19時) (レス) id: ed9aff9576 (このIDを非表示/違反報告)
フール(プロフ) - d!すこすこさん» ありがとうございます!なるべく早めの更新を心がけて、頑張ります! (2019年3月20日 14時) (レス) id: baf0519c25 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:フール | 作成日時:2019年3月20日 12時

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