６２ 手合わせ ページ27
翌日。
ソファーで眠ったせいで寝違えてしまったのか、腰の痛みで目を覚ました俺は、体に掛かった毛布を見てため息を吐いた。
リョウは部屋にいない。
机の上には薬と水が置かれていた。
「…くさい」
リョウの匂いがする毛布を頭まで被り、二度寝をする。
だが、そういえばこの国の奴らに挨拶すらしていないと思い出し、起き上がった。
頭を掻きながら薬を水で飲み込もうとして、片腕しかないことを思い出し、頭を掻いてから薬を飲んだ。
タバコに火を点けるのにも、時間がかかる。
最悪だ。
「リョウのやつでええか…」
服を脱ぎ捨て、リョウの服に腕を通すと、アイツの匂いがして嫌気が差した。
あと、結構ぶかぶか。
仕方がないから、余った袖をちょっと燃やしてサイズを合わせた。
部屋を出る。
「…あ」
「ん？……ぉおい！それ俺の服やろ！」
「サイズ合わせたから、大丈夫や」
「お前っ…！燃やしたな！？」
「悪いか？」
ばったり出会ったリョウに真面目な顔でそう言うと、絶句された。
その顔は面白かったが、さすがにやりすぎてしまった事は自覚しているため、ちゃんと謝る。
「すまんかった。服がなかってん」
「っ、それだけやからな…！」
それでこの会話は終わり、俺達は目的地が同じ訳でもないのに、二人並んで歩き始めた。
俺は他のメンバーの部屋辺りに行きたかったのだが、彼はどうやら中庭辺りに行こうとしているらしい。
彼が行こうとする先に何となくついて行ってしまうのは、俺の悪い癖だ。
アホみたいな顔で動くこいつを見ると、何故かその後を追ってみたくなる。
「今朝、中庭に呼ばれてん」
「…へぇ」
「ゾムさんがな、手合わせしたいって」
「そう」
訊いてもない内容を話し始めた彼に付き合い、話を聞いてやると、意外そうな顔をされた。
「お前、一緒にやるか？」
「…ゾムさんと？一対二か？ズルいな、お前」
「ちゃうわ！ひとらんさんも参加するらしいから、お前手合わせしたら？」
「……そうやな」
片腕にも慣れなければならない。
俺が頷くと、リョウは何故か嬉しそうに笑いかけてきた。
何がそんな嬉しいねん、コイツ。
と、話している間に中庭に着いた。
「…お、来たな。ランドールの精鋭」
「止めて！恥ずかしい！」
「あれ、ショウさん、だっけ？」
「初めまして」
ゾムらしき人にイジられるリョウを無視し、俺はひとらんに頭を下げる。
最初から手合わせする予定だったからか、リョウはすぐにゾムに追いかけ回されていた。
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フール(プロフ) - アイウエオだよさん» 一応ピポポポのつもりです。分かりづらくてすみません…。ピポポポを使うところは話数的に自然消滅しました…。能力的には某竜依頼のパルプン○です。 (2019年4月3日 2時) (
レス) id: baf0519c25 (このIDを非表示/違反報告)
アイウエオだよ - 鬱先生の“あの能力”とは‥‥‥ (2019年4月3日 1時) (レス) id: 7bcfa840f4 (このIDを非表示/違反報告)
フール(プロフ) - テルさん» ありがとうございます…！これから少し忙しくなるので、更新が遅くなってしまうかもしれませんが、頑張ります！ (2019年3月25日 20時) (レス) id: baf0519c25 (このIDを非表示/違反報告)
テル - 更新来た！無理せず頑張ってください！ (2019年3月25日 19時) (レス) id: ed9aff9576 (このIDを非表示/違反報告)
フール(プロフ) - d!すこすこさん» ありがとうございます！なるべく早めの更新を心がけて、頑張ります！ (2019年3月20日 14時) (レス) id: baf0519c25 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：フール | 作成日時：2019年3月20日 12時
