５４ 人喰 ページ19
「廻る回る」
「っ…！」
「躍る踊る」
アルクローネが突然俺の後ろに現れた。
死の霧を放ってもアルクローネの首だけが遠くへと伸び、俺に向かってナイフが振るわれる。
両手剣で受け止めるが、ナイフに掛かっている力は非力な俺の力を完全に上回っていた。
「グルッペン！」
「たす、かった…」
「…花は、散らせましょう…」
ショウがアルクローネの首を斬ったが、それはすぐに再生されてしまう。
首もダメなら、どうすれば倒せるんだ…？
一旦下がり、アルクローネが発する意味のない言葉に耳を傾ける。
最初の言葉には聞き覚えがあった。
古くから伝わる、人喰の伝承だ。
…まさかとは思うが、その話通りにこの戦いが進むとか、そんなわけはないよな。
もしそうだったら最悪だゾ。
だが、運命とは不思議なもので、そうなるなと思ったものが現実になるのだ。
「…っ！」
「ショウ、さん…？」
「勝木…！」
少し前まで俺とコネシマの相手をしていた、勝木と糸腹が現れた。
彼らは全身に傷を負っていて、まるで爆発にでも巻き込まれたかのようだ。
特に勝木に至っては、腕が一本無い。
彼らはアルクローネに首を掴まれ、高く持ち上げられていた。
「裏切り者、みーつけた」
「…嫌…やぁ…！」
「嫌なのかぁ、そうかそうか」
「っ…！」
「じゃあ糸腹からにするね」
アルクローネが口を開ける。
その瞬間、糸腹の体が消滅した。
跡形もなく、消えたのだ。
アルクローネは口に手を当て、気持ち悪いほど嬉しそうな笑みを浮かべている。
「いと、ばら…」
「次、君だよ」
「嫌やっ…！死にたくない…！」
「裏切り者には死を」
勝木がアルクローネの腕を切り落とし、片腕だけで必死に床を這う。
俺はすぐにその腕を掴んで引き上げ、彼を助け出した。
そして、その時にやっと気が付いた。
アルクローネの口元に、舐めても拭いきれない血が滴っていたことに。
その口が、俺の方を向いた。
「…貴方から食べる？」
目の前にアルクローネの口内が広がり、体が動かない。
逃げなければならないのに。
誰かに掴まれているかのように、脚は動かなかった。
「グルッペン！」
「…！」
Aがアルクローネの首を斬る。
すぐに再生される傷だが、正気に戻るには十分だった。
俺は反射的に後ろへ下がる。
助け出したはずの勝木の体は、下半身が無くなっていた。
「…勝木」
意識を失った勝木の頬を、ショウが手でなぞる。
深い悲しみと憎しみがその手の震えから溢れていた。
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フール(プロフ) - アイウエオだよさん» 一応ピポポポのつもりです。分かりづらくてすみません…。ピポポポを使うところは話数的に自然消滅しました…。能力的には某竜依頼のパルプン○です。 (2019年4月3日 2時) (
レス) id: baf0519c25 (このIDを非表示/違反報告)
アイウエオだよ - 鬱先生の“あの能力”とは‥‥‥ (2019年4月3日 1時) (レス) id: 7bcfa840f4 (このIDを非表示/違反報告)
フール(プロフ) - テルさん» ありがとうございます…！これから少し忙しくなるので、更新が遅くなってしまうかもしれませんが、頑張ります！ (2019年3月25日 20時) (レス) id: baf0519c25 (このIDを非表示/違反報告)
テル - 更新来た！無理せず頑張ってください！ (2019年3月25日 19時) (レス) id: ed9aff9576 (このIDを非表示/違反報告)
フール(プロフ) - d!すこすこさん» ありがとうございます！なるべく早めの更新を心がけて、頑張ります！ (2019年3月20日 14時) (レス) id: baf0519c25 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：フール | 作成日時：2019年3月20日 12時
