１ 侵入開始 ページ3
「何これ、こんなのじゃ能力分からないじゃないの」
参考に配られた能力資料を睨みつけ、私は唸る。
我々だとかいうふざけた名前の国。
基本軍隊は使わず、何故か幹部のみで戦いに出向き、敵を全滅させて帰ってくる、謎の国だ。
私は彼らについて、幹部がめちゃくちゃ強いこと、国のトップがめちゃくちゃなこと、一人一人の幹部の個性が強いこと、ぐらいしか知らない。
偵察に行きたかったのだが、上司から行かない方がいいと止められてしまったのだ。
というか、この能力資料のピポポポポって何？
あと、不人気とか復讐鬼とか、何？
マグマって何？
こんな情報だけで勝てるわけないじゃん。
「…仕方ないわね」
私はナイフを仕込んだブーツを履き、目視できないほど小さなドローンを宙に浮かした。
能力で聴覚を消してしまえば、もう何も怖くない。
深呼吸し、ターゲットの国へ足を踏み入れる。
そして、そのまま城へと向かった。
正面突破だ。
「お邪魔しますね」
門番の五感を奪い、私は城の中へ侵入する。
ここまで堂々と侵入する暗殺者なんていないだろう。
多分、ロボロとシーノとかいう奴が監視をしているはずだから、私はバレないように天井に張り付いた。
ブーツの足底からナイフを突き出して、体を天井に固定する。
「…お！侵入者やーん！」
「っ、ちょっと、気付くの早すぎない…！？」
その時、私の体ギリギリを、弾丸が通り過ぎた。
コネシマ、だっけ？
無邪気な笑顔を浮かべた彼を睨み、私は天井から降りる。
彼の手には銃が握られていて、その姿は既に戦闘体制に入っていた。
…やるしかないかなぁ。
今日は「誰もいませんでしたー」って上司に報告して帰りたかったのに。
「暗殺者か？」
「そうだけど…」
「ええやん、強そうやし。早よやろ」
「何で暗殺される側から仕掛けてくるのよ」
「もうバレてる時点で暗殺ちゃうやろ」
「…確かに」
コネシマが私に弾を放ってくる。
私はそれを全て避け、自分の味覚と嗅覚を消して目の前の弾に視覚を集中させた。
コネシマが持っているのは散弾銃。
弾がバラバラに広がる分、広範囲に攻撃できるが、こういう１対１の戦いには向いていない銃だ。
これなら勝てるかも。
そう思い、ナイフを口に咥え、私は服の中から大太刀を取り出した。
「っ…！」
「でっか！何やその刀！」
片手で大太刀を振り抜く。
だが、コネシマは簡単にそれを避けてしまった。
なら、これはどうだ。
私は手をかざし、彼の五感を奪った。
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みょん - 夢主ちゃん五感を消すどころか操っちゃった (2019年8月26日 15時) (
レス) id: 58ac6e7e16 (このIDを非表示/違反報告)
フール(プロフ) - ひよっ子さん» ご感想ありがとうございます！頑張ります！ (2019年3月17日 19時) (レス) id: baf0519c25 (このIDを非表示/違反報告)
ひよっ子 - 主人公ちゃんの悲しい過去など とりあえず全部面白いです これからも頑張ってください！！(≧∀≦) (2019年3月17日 18時) (レス) id: a20f220c99 (このIDを非表示/違反報告)
フール(プロフ) - 兎危@ファンマークは子兎さん» チノ氏のキャラがまだ定まってないので探り探りですが…。これからも結構登場させるつもりです。 (2019年3月17日 9時) (レス) id: baf0519c25 (このIDを非表示/違反報告)
兎危@ファンマークは子兎 - ち、チノ氏…！？！？まさか、チノ氏を書いてる人が居たなんて……！感激ですううううう(新人組推し) (2019年3月17日 9時) (レス) id: 029d2a2f18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：フール | 作成日時：2019年3月15日 17時
