オスマンVSひとらん ページ4
「そうなんだ、嬉しいな」
「…今回のは、ちゃんと期待に応えられそうやわ」
「あんまり応えてほしくないんだけど…！」
このまま放っといたらマズいことになりそうだ。
俺は太刀を構えて足元の草を引き千切り、オスマンに近付く。
その瞬間。
ドクンと、痛いぐらいに胸が鳴った。
「っ…！」
「初卸し技や。ちゃんと受け取ってな？」
「なに、これ…！？」
「ひとらんの中に、入れてん」
彼が意味深な仕草と口調で囁く。
入れた？俺の中に？何を…？
そう思ったと同時に、マスクの中の口から血が漏れた。
体が少しずつ動き辛くなっていく中、俺の目の前でオスマンが唇に人差し指を当て、ニコリと笑っている。
「っ、なに、した…！」
「種、まいたんよ」
「た、ね…！？」
また意味深に彼が言ったと同時に、俺の腕から木の枝が飛び出た。
…まさか、俺の体の中に木の種を入れたのか…？
確かに、どこに草木を作るかはオスマンなら自由に選べるし、俺の体内だって例外ではない。
でも、そんなことが出来るんだったら、無敵になってしまうじゃないか…！
この技で負けたくない。
そう強く感じた俺は、もう能力を使うことにした。
「復讐、するから」
「…おう、来い。それがこの技一番の懸念やねん」
「こんな技、反則だからな。絶対許さないよ」
「復讐鬼」という能力は、受けたダメージのデカさに応じて、一定時間俺自身を強化する技だ。
俺は太刀を握り、動かなくなる体を無視して彼に近付いた。
オスマンが木の壁を作るが、太刀を軽く振るうだけでそれは砕け散る。
力の衝撃波を放つと、どれだけ彼が木で防ごうとしても全て壊れた。
このまま、やってやる。
「っ、やっぱ、怖いわ…！」
「……」
そう叫ぶオスマンの背後に一瞬で移動し、居合いの姿勢で太刀を振るう。
避けきれなかった彼の体に斜めの赤い線が走り、血が吹き出た。
まだだ。
連続して斬撃を放ち、オスマンを滅多切りにする。
だが、その手応えは有って無いようなもので、違和感しかなかった。
…まさか、とは思うが。
その予感を信じ、背後を振り返った時。
「バレた？でももう遅いわ…！」
「っ…！」
目の前で、本物のオスマンが木の幹を飛ばしてきた。
衝撃波で防ぎたいが、太刀がさっきまで斬っていた木の人形に掴まれて動かない。
ヤバい。ヤバいヤバいヤバい…！
焦る俺を尻目に、オスマンは笑った。
「チェックメイト」
全身の木々が更に成長し、体を木の幹で吹き飛ばされ、俺は気を失った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 11人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
フール(プロフ) - みらくさん» ありがとうございます！更新がしばらくできずにすいません…。 (2019年4月9日 18時) (
レス) id: baf0519c25 (このIDを非表示/違反報告)
みらく(プロフ) - 戦いかっこいい！更新これからも頑張ってください！ (2019年4月8日 21時) (レス) id: 9ed50f23e7 (このIDを非表示/違反報告)
ロコ(プロフ) - フールさん» 気長に待ちますリアル優先で良いですよ (2019年3月27日 18時) (レス) id: ca6c813b86 (このIDを非表示/違反報告)
フール(プロフ) - ロコさん» リクエストありがとうございます。トントンVSロボロ、了解しました。少し時間がかかってしまうと思いますが、気長にお待ち下さい…。 (2019年3月27日 18時) (レス) id: baf0519c25 (このIDを非表示/違反報告)
ロコ(プロフ) - フールさん» 本編から来ました戦闘系の小説大好きなんですよね、この素晴らしい作品にリクエストしたいですtn×rbって出来ますか？最新スピードとかゆっくりで良いのでお願いします (2019年3月27日 17時) (レス) id: ca6c813b86 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：フール | 作成日時：2019年3月19日 21時
