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オスマンVSひとらん ページ3

「速い、って!」
「力押しは楽だねぇ」
「ずるい…!」


オスマンは能力の強さでいうと、我々だの中でも最強に近いだろう。
応用の利く木を操る能力と、戦闘において一番重要な“読み合い”を無視できる、思考を読む能力。
だが、これらの能力を持つオスマンには、一つだけ弱点があった。
身体能力が低い。
ただその一言に尽きる。
能力は強いのだが、彼自身の肉体的、身体的な強さは能力と比べると少し遅れをとってしまう。
だから、力でごり押しすれば、勝ててしまうのだ。


「っ…!」
「くらってよ」


俺の太刀を木々で防ぐオスマンだが、ちょっと焦り気味だ。
太刀から力の衝撃波を能力で放ってみると、それだけでかなり四苦八苦している。
この調子だと、復讐の方は使わずに終わりそうだな。
って思ってたら、思考を読んだオスマンがキレるんだよなー。


「分かってるんなら、考えんなや…!」
「怖いって」
「もう…!」


オスマンが木の幹を背後に作り出してきたが、予想していた俺は太刀の一閃でそれを切り落とした。
と、その時、足元から草が生え、俺の動きを拘束する。
拘束用の草は力が弱く、あっさり引き千切ることができたが、オスマンのことだから何か裏があるのだろうと警戒し、俺は草を放置した。
そして、その間に距離をとったオスマンに向けて、力の衝撃波を飛ばし続ける。


「ほんっとそれ嫌やわ」
「マンちゃんのも嫌だよ」
「…嬉しない」
「俺も」


オスマンが飛ばしてくる木の幹を衝撃波でワザと雑に斬って、自らを傷付けていく。
復讐を使うなら、雑な傷を自ら付けないといけないのが面倒くさい。
まぁ、こうして溜めたものが後で力になるわけだから、全然構わないんだけど。


「めう!」
「お、マジで」


オスマンが「めう」と言うときは、基本余裕がある時だ。
俺は内心恐怖で震えながら、それを表出さずに余裕ありげに呟く。
この思考も読まれてるんだろうけど。
オスマンが四方八方から木の根を生やしてきた。
その根がしなり、俺の体をシバこうとしてくるが、細かい衝撃波を一面に放って防ぐ。

この程度じゃないはずだ。
オスマンはもっとヤバい技を使ってくるはず。
何が来る。


「…ひとらんは、」
「…?」
「俺を信頼しすぎや」


オスマンが攻撃を止め、俺に微笑んだ。
この言葉が終わったら、絶対に攻撃が来るな。
多分、こうして会話をするのは、攻撃の準備をするためなんだろう。
…気を抜くな、俺。


「だからな、俺はそれに応えたいねん」


 

オスマンVSひとらん→←オスマンVSひとらん



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フール(プロフ) - みらくさん» ありがとうございます!更新がしばらくできずにすいません…。 (2019年4月9日 18時) (レス) id: baf0519c25 (このIDを非表示/違反報告)
みらく(プロフ) - 戦いかっこいい!更新これからも頑張ってください! (2019年4月8日 21時) (レス) id: 9ed50f23e7 (このIDを非表示/違反報告)
ロコ(プロフ) - フールさん» 気長に待ちますリアル優先で良いですよ (2019年3月27日 18時) (レス) id: ca6c813b86 (このIDを非表示/違反報告)
フール(プロフ) - ロコさん» リクエストありがとうございます。トントンVSロボロ、了解しました。少し時間がかかってしまうと思いますが、気長にお待ち下さい…。 (2019年3月27日 18時) (レス) id: baf0519c25 (このIDを非表示/違反報告)
ロコ(プロフ) - フールさん» 本編から来ました戦闘系の小説大好きなんですよね、この素晴らしい作品にリクエストしたいですtn×rbって出来ますか?最新スピードとかゆっくりで良いのでお願いします (2019年3月27日 17時) (レス) id: ca6c813b86 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:フール | 作成日時:2019年3月19日 21時

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