ラズべりポイズンにジニアを。(その後) (ページ24)

今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:2,043 hit

24話ページ24

.

すると、音楽が流れ始めた。

〜♪ 〜♪

kn「お、おい、踊るぞ…！」ｺｿｯ

shp「は、はい」ｺｿｯ

二人の踊りは、急だったにもかかわらず、安定していた。

二人も乗ってきているようだった。

途中、運動神経を駆使した動きもあった。

「見て、あの紳士の方がリードされているわ」ｺｿｯ

「まぁなんてお美しい方だこと！」ｺｿｯ

「一つ一つの動きがきれいですわ！」ｺｿｯ

「あの紳士の動きについてきている淑女も素晴らしい」ｺｿｯ

「でもドレスが少し破けてるぞ」ｺｿｯ

「ほんとうだ、汚らしい」

「本当に上級貴族なのか？あの女性は」

ざわ…ざわ…ざわざわ……

ut「や、やばい、どうしよう……」

観衆の評価がコネシマからショッピに移るにつれて、どんどん悪くなっていった。

kn「そのドレスはどうしたんだい」

突然コネシマが周りにも聞こえるような声で語りかけだした。

shp「え、えと……先程どなたかの美しいヒールに引っ掛けてしまいましたの。お見苦しいですね……」

kn「そうでしたか、おかわいそうに」

もちろん引っ掛けられてなどいない。

shp「しかし私にはこれが十分でしょう。まあ私がみすぼらしくなくても皆様方は際立ちますがね」

ut「な、なんだと、そんなことがあったのか…」

大先生も周りに聞こえるような声でつぶやいた。

zm「よく見ればきれいな顔立ちをしていらしてよ」

ゾムも便乗する。

その二人の声に流されて、観衆の評価は変わっていった。人間は流されやすい生き物である。

「たしかに……よく見てみればきれいな顔じゃないこともないかも…」

「だれだい、上級貴族を疑った者は」

「全くだ。このコンビは素晴らしい！」

ﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁ

一人が拍手をし始めると、所々から拍手が増え始めた。

「素晴らしい！」「目覚ましい踊りだ！」「素敵！」「How fantastic!」「What wonderful combination!!」

踊りきった頃には拍手が絶えなかった。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

.