天城兄弟には幼い妹がいました2

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「あぁあ…っ、本当に最高…っ！本当に幸せ…っ！！彩葉、ありがとう！！！」



そして優しくいいこいいこと頭を撫でられた零と薫はそのまま崩れ落ち、幸せを噛みしめるのだった。





「…彩葉、晃牙お兄ちゃんにもいいこいいこしてくれるか？」


「そうだな、彩葉。アドニスお兄ちゃんにもしてくれるだろうか？」




そして先輩二人が崩れ落ちているのをいい事に、自分達もいいこいいこをしてほしいと彩葉に頼み、彩葉の前にしゃがみ始める晃牙とアドニス。しかしその声はしっかりと零と薫の耳に届いていたようで。




「はぁ…？ちょっと何言ってるの！？俺と零くんはあのアスレチックを頑張ったからご褒美にいいこいいこしてもらえたんだよ！？」



「そうじゃそうじゃ！何の苦労もしないで彩葉からいいこいいこをしてもらえると思ったら大間違いじゃよ！！」



すぐさま起き上がり、すごい勢いで後輩たちに迫り来る先輩二人。自分達があんなに頑張ったからこそ貰えたご褒美なのに何もしていない後輩たちにまでいい思いをさせてたまるかと断固阻止しようとしたのだが。




「こうがおにーたん、あどにしゅおにーたんもいーこいーこ！」



「そ、そんなぁ…っ！」


「あ、ぁぁあ…、我輩と薫くんの頑張りはなんだったんじゃ…っ」



あと一歩及ばず。彩葉は晃牙とアドニスの頼み通り、二人にいいこいいこをしてあげたのだった。そしてそれを見た瞬間悲痛な声をあげ地面に倒れ伏す薫と零。自分達の頑張りは一体何だったのだろうかとズーンと暗い影を背負っている。




「く…っ、ありがとな彩葉…っ！…おいアドニス、彩葉から頭撫でられんのもなかなかにいいな」


「っ…、彩葉ありがとう…っ。あぁ、大神。なかなかに嬉しいものだな」



そしてこちらはこちらで彩葉にいいこいいこをしてもらい、大満足な様子の晃牙とアドニス。自分達は特に何もしていないが、彩葉に頭を撫でられるのも嬉しいものだと幸せそうな表情を浮かべている。





「おのれ…、お主ら…覚えておれよ…っ！！」


「晃牙くんもアドニスくんも絶っ対に許さないからね…っ！！」



「ん？」




そして幸せそうな晃牙とアドニスのことを歯をギリギリと食い縛りながら睨みつけ、悔しげに声を絞り出す零と薫。そんな二人の様子を彩葉は不思議そうに見やったのだった。

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