天城兄弟には幼い妹がいました2

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荷物の持ち運びについて何も考えていなかった桃李は皆とお揃いにしたいという一心で、全部のものを五人分買い揃えたのだが、その量はとてつもないことになっていたのだ。そしてその山のような荷物を前に頭を抱える桃李。しかしそこに英智の穏やかな声が響き渡る。



「ふふっ、心配しなくても大丈夫だよ♪実はパークの至る所に僕の家の者たちを配置しているからね。何人かに荷物を持ってもらおう♪」


「えぇ！？本当に！？」


「おやおや、流石は英智さまですね」


「…もう私は何を言われても驚きませんからね！」



なんと英智は何が起きてもすぐに対応ができるようにと、パーク内の様々な場所に家の使用人たちを配置させていたようだ。その為、その中の何人かに荷物を持ってもらおうと提案する英智。桃李と弓弦はそんな英智の言葉に驚きながらも嬉しそうな表情を浮かべている。…そして渉はというと、もう既に何度も英智の言動に驚かされている為、もう絶対に驚かないと一人誓っているのだった。




「じゃあ、英智さまのお家の人たちに荷物を預けて早速行こう！…あれ？でも、どれが英智さまのお家の人なの？」


「ん？あぁ、あそこにいる彼らがそうだよ♪折角のテーマパークだからね、景観や雰囲気を損ねないようにキャストと同じ衣服を着用してキャストのように振る舞ってもらっているんだ♪」



じゃあ早速荷物を預けよう！と張り切り、辺りを見回す桃李だったが、そこにいるのはにこやかに手を振ってくれているキャストたちのみ。桃李はその様子を見て、あれ？使用人の人たちは？と首を傾げたのだが、英智は彼らがそうだよ♪とあっけらかんと答えたのだった。



「えぇ！そうなんだ！さっすが英智さま♪」


「ふふっ。それ程までのお心遣い、流石でございますね♪」



思わぬ英智の心遣いに嬉しそうな反応を見せる桃李と弓弦。そして渉はというと、



「……私はもう驚かない私はもう驚かない私はもう驚かない。さぁ、彩葉！渉お兄ちゃんと一緒にあちらに行きましょうか♪」


「うん！」


想像を遥かに超える英智の準備の良さに若干の現実逃避をしながらも、彩葉と手を繋いでさっさと歩き始めたのだった。



「あ！日々樹センパイちょっと待ってよ！勝手に彩葉を連れて行かないで！！」


「ふふっ、渉はせっかちだね。早く荷物を預けて渉と彩葉を追いかけようか♪」


「そうですね♪あちらにはフォトスポットもあるようですし、早速あちらで写真を撮るのはいかがでしょう？」

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