天城兄弟には幼い妹がいました2

81 ページ34

「ふふっ、さっすが英智さま！貸切ってことは沢山遊べるってことだよね！すっごく嬉しい！でもまずは、ファッションから楽しまないと！彩葉、カチューシャとか色々見に行ってみよっか♪」


「うん！」



そして今度は桃李が彩葉と手を繋ぎ、よりテーマパークを楽しむべく、カチューシャなどのファッションアイテムが売っているお店に向かったのだった。






「ほら、い〜っぱいあるよ！カチューシャもキャップもTシャツもあるし、他にも沢山あってすっごく迷っちゃうなぁ！彩葉、桃李お兄ちゃんとお揃いにしようね！」


「うわぁ！かわいいのい〜っぱい！とうりおにーたんとおしょろいする〜！」


「はぁ、可愛い…っ！…ちょっと試しに一つ彩葉につけてみよう…！…って、…うぐ…っ！！可愛い…っっ！！！え、本当に可愛い…っっ！！…ちょっと他のもつけてみよう！」



店内に入ると沢山のアイテムが目に飛び込み、桃李と彩葉は大はしゃぎ。そして近くにあったカチューシャを試しに彩葉につけてみた桃李だったが、そのあまりの可愛さに思わず両手で顔を覆って悶えている。しかしすぐに復活し、他のものも試してみようと彩葉の頭へと手を伸ばしたのだった。




「はぁ…、どれをつけても本当に可愛らしすぎますね…っ！…この際様々な種類を購入して、時折付け替えてみてはいかがでしょう？」



一歩遅れてやって来た弓弦は、カチューシャをつけた彩葉の可愛さに悶えつつ、色々な種類のものを購入することを提案。普段は桃李の無駄遣いにあまりいい顔をしない弓弦も、どうやら彩葉の為に使うお金なら無駄遣いだと思わないようだ。



「弓弦いいこと言うね！！そうしよう！すみませーん、ここにあるカチューシャとキャップと、あと耳のついたピンも全種類ください！！あ、あとTシャツも全種類買いまーす！！」



「…ひ、姫君！？…やはり御曹司たちのすることは一味も二味も違いますねぇ…、流石の私も驚きが隠せませんよ…」



「ふふっ、本当ならこのお店ごと購入してしまってもよかったんだけどね♪」



「英智！？貴方はこれ以上、私を驚かせるようなことを言うのをやめていただけますか！？」




そして早速とばかりに店員を呼び、全種類購入する旨を伝えている桃李。渉はそれに驚きの声をあげたのだが、桃李の更に上をいく英智の発言に、驚きを通り越し、テーマパークを貸切にするだけでは飽き足らず店の購入まで考えるとは…と少々引いた目を向ける渉なのだった。

82→←80

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す