10、告げられたのは永遠の別れ ページ10
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二人で武装探偵社に戻ると、太宰先輩とお祖母ちゃんが、二人で対峙していた。社の雰囲気は最悪。帰ってきた私に気づいた太宰先輩は「お帰り〜」とニコニコと笑っている。
「あ、あの、」
「A。あなたはここにいても構わないわ」
予想だにしなかったお祖母ちゃんの言葉に、思考が停止する。あなたはここにいても構わない。お祖母ちゃんは、確かに今そう云った。しかし、それを喜んでいる暇もなく次の言葉が放たれる。
「ただし、もう二度とうちの敷居を跨がないでちょうだい」
それはそう、云うなれば絶縁宣言だった。
縁を切る。縁を絶つ。たった今、私は、お祖母ちゃんから絶縁された。
「……彼の云う通りね。貴方は私の孫に相応しくない。どうぞ、好きなだけヨコハマにいて頂戴。ただし、金輪際縁は切らせてもらいます」
愕然とする私の横を、お祖母ちゃんは無言で通り過ぎていく。あぁ、あと、と云い残したように振り向いた。
「お祖父さん、病気になったの。だから、貴女を早く連れて帰りたかったのだけれど……残念だわ」
全く感情の込められていない、あまりに平坦過ぎる声でそんな言葉を残してから、嵐のようにやって来たお祖母ちゃんは私の心を荒らしてからまた嵐のように去って行ったのだった。
「……」
全身から力が抜けて、床に膝をついて崩れ落ちる。
「太宰さん、一体あの人になんて云ったんですか！？」
今まで黙っていた中島先輩が、お祖母ちゃんと交渉していた太宰先輩に問いかけた。すると太宰先輩はさも当然のように微笑む。その微笑はあまりに普段と変わらなくて、変わらなすぎて、背筋にぞわりと冷たいものが走った。
「簡単だよ。Aちゃんは貴女の理想の孫ではない。勘当すれば良い、ってね。最初は渋ってたけどAちゃんの異能のこと、闇組織から100億の懸賞金を懸けられていたことを話した。そしたら気味悪がってすぐ諦めてくれた。もしかしたら自分達に被害が及ぶと考えたのかもしれないね」
そして太宰先輩は地面に座り込む私を見て、静かに云った。
「……Aちゃんの為にしたことだよ」
矢張り、太宰先輩は何かが可笑しい。
一言では云い表せないが、何かが決定的に欠如しているように思えてならない。
「……あ、りがとう、ございます……」
それでも太宰先輩は私の為にしたことだと云ったのだから、そこに悪意はないのだろう。それが余計に怖くて、私は暫くその場から動けなかった。
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柊あんず(プロフ) - 乳酸菌 チーズさん» こちらの方にもコメントありがとうございます！目……目、大丈夫ですか！？ムスカ大佐！？((( (2020年1月25日 21時) (
レス) id: 5d7d3376c6 (このIDを非表示/違反報告)
乳酸菌 チーズ(プロフ) - 目ッ…目がァァ……！！！← (2020年1月25日 20時) (レス) id: df6c59ac1d (このIDを非表示/違反報告)
柊あんず(プロフ) - 果汁ジノ％さん» 国木田さんがいたのはアニメですね！確認しましたがやっぱり原作のパーティーに国木田さんはいなかったのでもう既にあの時には捕まっていたんだと思います！よってこれは伏線ではありません……(笑) (2020年1月25日 19時) (レス) id: 5d7d3376c6 (このIDを非表示/違反報告)
果汁ジノ％(プロフ) - 原作では国木田さんもパーティーに出ていたような…まさか、逮捕の時期が早まったのも伏線なのか…！？ (2020年1月25日 19時) (レス) id: 119f59d457 (このIDを非表示/違反報告)
柊あんず(プロフ) - ひいやさん» コメントありがとうございます〜！33話の伏線、そして腕の件は四部でちゃんと回収するのでご安心ください〜！「緑の灯」についてはフィッツジェラルド様の著者「グレート・ギャツビー」からの引用になるので、完全に史実ネタですね！ (2020年1月25日 11時) (レス) id: 5d7d3376c6 (このIDを非表示/違反報告)
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