25.ニート、覚悟を決める。 ページ27
目を開ければ、死体が転がっていた理由。
黒服の集団が襲って来た理由。
両親が殺された理由。
親戚の家に移された理由。
…それは、全て私だった。
というより、私の異能だった。
両親は…私の分身の、影が憑いている事を知っていた。
それが異能である事も。
そしてその異能が、自我を持っていたことも。
両親は私の異能が沢山の人を惨殺しているのを知っていた。
私が幼い頃から、私の影は暴走していたのだ。
殺された同胞の仇を取る為に、あの黒服の男達が来たのだ。
仇である、私を倒す為に。
だけれどそれは失敗し、新たな犠牲を生み出した。
と同時に、私の影は私が目覚めていても動くようになってしまったのだ。
危険を感じた両親は、親戚に何度も頭を下げて私を移して貰う事にしたのだ。
たった一人の、娘を守る為に。
そして、私が居ない事を知ったあの黒服の男達は、代わりに私を匿った両親を斬った。
…目を開く。
目の前には、ニヤニヤと嗤う私の影…否、忌々しい異能。
…今度こそ、終わらせなければ。
この暴走は、一生止まらないだろう。
『…あのネットに上がっていた怪事件は…お前の仕業か』
[ソうだヨ。貴方の代わりニ、私が斬って
あげタ。
____今でも貴方を狙ウ者は存在してイルのよ?
私が、貴方ヲ守っテあげル]
彼奴の背後から、私にどす黒い手が向かってくる。
私はその手を、素手で掴んだ。
[なっ…]
『…要らない。もう私には、貴方は要らない。
だって今は…』
みしり、みしりと黒い手が軋む。
私はチラリ、と背後を見る。
背後で敦君達が、私達を見つめていた。
何時でも攻撃出来るように、各々の武器を構えながら。
『___私には、新しい居場所と、仲間が出来たんだから!!』
バキン、と黒い手を折る。
私の影が甲高い悲鳴を上げて、黒い手は霧となり消え去った。
[痛い、痛イィィィィッ!!!…お前ハ、私へノ恩を仇で返スのカ!?
……許サナイ……ユルサナイィィィィッ!!]
影が咆哮を上げ、無数の影の刃を出現させる。
投げナイフの様に、私へと向かってくる!!
『…っ』
私は咄嗟に手で目を覆った。
パキン、と何かが折れる音がした。
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作者名:くれーぷ | 作成日時:2017年12月19日 21時