21.黒いモノの正体. ページ23
【NO side】
黒い、大きな何かが燐を包む。
『んむっ…や、めっ…』
「燐さんっ!」
「私がやる」
凛とした言葉と同時に、鏡花は袖から小型の剣を取り出した。
そして飛びかかり、黒い何かを切り裂いた。
…が。
[…痛イ…痛イ痛イ、痛イィィィィ!!!]
「!?」
黒い何かが叫び、更に燐の拘束を強めた。
燐が苦しそうに呻き声をあげ、涙を浮かべる。
『ぐ…ぁ……皆…』
「燐さん!…っ、"細雪"!」
谷崎の叫びと同時に、辺りに雪が降り始める。
そして谷崎の姿が見えなくなる。
[!…何処ダ!?]
「此処だ」
黒い何かが気付いたのと、谷崎の拳がぶつかるのはほぼ同時だった。
黒い何かが吹っ飛ばされ、燐の拘束が解かれる。
それを確認し、敦と鏡花が駆け寄った。
「燐さん!大丈夫ですか!?」
『…う、ん…なんとか…』
「ひとまず逃げないと」
チラ、と鏡花が背後を見る。
吹っ飛ばされた黒い何かが動き出し、ギラギラと赤い双眸で谷崎を睨んでいた。
『…駄目…どんなに逃げても、無駄だよ…』
「えっ、ど、如何してですか!?」
燐は途切れ途切れになりながら、言葉を紡ぐ。
『何故なら…
.
.
…彼奴は…私の異能みたいだからね…』
敦と鏡花の動きが、ピタリと静止した。
黒い何かが、燐の言葉に呼応する様に唸り声をあげた。
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作者名:くれーぷ | 作成日時:2017年12月19日 21時