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11.ニート、探偵社に入社して吠える。 ページ13

事務所に戻ると、包帯さn__じゃなかった、太宰さんが迎え入れてくれた。



「お帰り、燐ちゃん。怪我の方は大丈夫かい?」



『た、只今です、太宰さん。はい…よ、与謝野さんが治してくれたので』



「そうか、なら良かった」




未だにこの人と話す時は何故か緊張してしまう。
初対面のアレがまだ印象に響いているからかな…


と、その時、別の方向から「燐」と私を呼ぶ声がした。

振り向くと、社長さんが立っていた。
私は慌てて姿勢を正す。




『し、社長…えと…おお、お疲れ様、です』



「嗚呼。貴君もご苦労だったな」



『あ、有難う御座います…』



ははぁ…と思わず頭が下がってしまう。
社長さんには頭が上がりません…←

その横から、春野さんが出て来る。
私に「お疲れ様」と微笑み、真剣な顔になる。



「社長。…結果の方を」


「…」



…?結果…?
私が戸惑っていると、社長さんが「ふむ」と目を閉じ私に向き直る。

眼を開き、「燐」と私の名を呼ぶ。























「…貴君を探偵社の一員に認定する」


『え…や……やったぁぁぁぁ!!って、ええええええええ!?』



喜びと驚きが同時にきた。



『え、本当ですか!?本当に、こんな、私で…』


「国木田から報告を聞いた結果だ」


『…』



本当に…私…入れるんだ。
この…異能力者達の集う組織の中で…



「燐。入ったからには、きちんと役目を果たして貰うからな」


『あ、国木田さん……はい、勿論です!』


「よし」



入れたからには…頑張ろう。
今回の失敗を活かして…次からは皆の役に立ちたいな。

そんな事を思っていたら、「あ、そういえば」と与謝野さんが呟いた。



「これ、アンタのじゃないかい?」


『ハッ!










これは…私のヘッドホンじゃないですかァァァァァ!!!!
無くしたと思ってずっと探してたんです!!!
ど、何処にあったんですか!?』


「病室に忘れてってたよ、国木田が置いたままで」


『そ、そうだったんですか…全然気付かなかった…』



ふと気付いた。
…これ…一部が欠けてる…だと…



『…国木田さん、ここの部分、触ってませんか…?』


「ここか?いや、触って無いが……ん、ここ、欠けてるな」




恐らく芥川との闘いの途中に倒れた時の衝動で欠けたのだろう。
…大事な私のヘッドホンが…




『……おのれ芥川ァァァァァァァ!!!』




探偵社に、私の咆哮が響き渡ったのだった。

12.ニート、初日にしてぶっ倒れる。→←10.女医と人虎とニート。


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作者名:くれーぷ | 作成日時:2017年12月19日 21時

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