検索窓
今日:23 hit、昨日:1 hit、合計:20,946 hit

9.主を守る者。 ページ11

【NO side】
芥川が黒獣を解くと、パニックで意識を失った燐が倒れた。

慌てて国木田が駆け寄る。




「燐!…っ!?何だ…」




燐の影から…視線を感じた。
それはまるで、"此方に近寄るな"とでも言うかの様に。




「…殺気を感じる。その小娘か」




燐の影に潜む【何か】を警戒して睨む芥川。
国木田にもその殺気は感じられた為、万が一を考え、銃を構える。


沈黙が降りる。




それを破ったのは、低い【何か】の咆哮だった。





[グオォォォォォォォォ!!!!]





「「…!」」





それはこの世の者では無い。
それは誰の味方でもない。



___主を守る為に、主に近付く者を切り裂く。




【何か】は燐の影から目にも留まらぬ速さで飛び出して来た。



それは燐の形をした影だった。


顔には、静かに此方を見つめる赤い2つの目しか付いていない。
手に持った長い鎌の先から、黒い液体が滴っている。


その隣で唸り声を上げる犬と、赤い舌をチロチロと出す蛇。



その姿は…まるで死神と、その死神に仕える使い魔の様だった。




「…何だ、彼奴等は…」



「判らぬ。だが…敵である事には変わりないだろう」




燐の形をした者___燐の影が、主の様子を見るかの様に、燐を見た。

燐はぴくりとも動かない。



それが分かると、燐の影は鎌を素早く構え、先ず芥川へと襲い掛かった。




「ふん…愚者が」




だが芥川の羅生門によって塞がれてしまう。
燐の影に羅生門が嚙み付こうとした__その時。




[…これで終わると思うな]




羅生門が、空を掻いた。




「!?」




いつのまにか、燐の影は芥川の背後に居た。
鎌が芥川を裂こうとしたが、その寸前で羅生門を盾にし避けた。


その頃、犬と蛇は国木田に襲い掛かり、慣れていないのか国木田の打つ銃に苦戦している。




[…チッ]




燐の影が舌打ちしたのと同時に、犬と蛇が消滅した。




[使えぬ奴等だ…仕方ない、今回はこれで引き下がるとしよう]



「おい、待て」



[…何だ、眼鏡。未だ闘うとでも云うのか]



「違う。…お前達は、何だ?」




燐の影は足を止め、振り返った。
その目からは何を考えているかは判らない。




[…簡単に云えば…忘れられた者達、だ]




それだけ呟くと、燐の影は…唯、そこに在るだけの、何もしない本来の燐の影に戻っていった。

10.女医と人虎とニート。→←8.黒獣とニート。


  • 金 運: ★☆☆☆☆
  • 恋愛運: ★★★☆☆
  • 健康運: ★★★★★
  • 全体運: ★★★☆☆

ラッキーカラー

あずきいろ

ラッキーナンバー

8

ラッキー方角

西 - この方角に福があるはずです


目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (28 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
65人がお気に入り
設定タグ:文スト , 文豪ストレイドッグス   
作品ジャンル:その他
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:くれーぷ | 作成日時:2017年12月19日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。