【太宰治】気になるあの子は気まぐれな死神です。【文スト】

［終］もう、独りじゃないから。 ページ40

《Aside.》

それから幾月。
色々な事があった。









マフィアに攻撃する組織の突然の出現。









それに反抗するマフィア
…そして、大切な友の死。









幾多もの物を失い、何人もの犠牲を出してしまった。









どんなに抗っても、大切な物はこの手から溢れていく。









…それでも、前を向いて生きなきゃいけない。









私達は、亡くした大切な友の意志を継ぐ為に、マフィアを裏切り行方を眩ました。









その時に助けて貰った安吾には感謝している。

あの時の手紙の主が誰だったのかは、未だに教えて貰えていないけれど。









そして、今。









『お早う、国木田君』









「嗚呼、Aか。今日も早いな、お早う」









「お早うA！」









『お早う、治』









私達は武装探偵社の一員となっていた。









『今日の仕事は？』









「巷で騒がれている白虎の事件を捜査する。思ったより時間が掛かりそうだから、太宰と俺とAで行く予定だ」









『ふーん…何時から？』









「9時半だ」









『あと10分しか無いじゃないか！！
ほら治、本なんか読んでないでさっさと行くよ！！』









「え〜、私やる気出なーい」









治は物欲しそうな顔をしていた。
私は溜息を吐き、治の頰にそっと接吻した。









『…はい、これで良い？』









「んー、未だ足りないけど…時間無いしね。
この続きはまた今夜かな」









その言葉に顔が熱くなる。









「あれ、A如何したの？顔赤いよ？？」(ニヤ)









『五月蝿い馬鹿者ッ！！！/// 早く仕事に行くぞ！！』









「また照れてる〜可愛い〜」









『…殴るよ？』









「御免御免(笑)」









そんなたわいもないやり取りをしながら、国木田君の後を追い掛ける。









気まぐれな元死神は、もう独りじゃない。









だって、大切な仲間と、大好きな人が居るから。









___もう、何も怖がらなくて良いんだ。









孤独だった、似た者同士の2人は、今日も幸せそうに笑っていた。

後書。→←［三十六］やっと出逢えたんだ。

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