愛して、愛されて、また愛して。 ページ24
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「先輩!先輩!!」
「っわぁ、びっくりした!」
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後ろから飛びつくようにやってきたのは、
光安くんと、伊勢田くんで。
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夕食を食べ終わって、
田茂先生からは″風呂入って寝ろ″
の一言だけで。
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もう、とっくにお風呂を済ませてると思ったのに、
そうではなかったらしい。
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食堂で、
柚子ちゃんと今日の部誌をつけていたら、
1年生2人がやってきた。
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「どしたの、」
「素振り!付き合って下さい!」
「えぇ?お風呂は?」
「堂学が入ってて。まだ、なんです、」
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伊勢田くんが後ろから、
付け足すようにそう言う。
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「行ってきたら?」
「えぇ、でも、」
「もう、終わるよ?光安くん、いいよ連れて行って、」
「ありがとうございます!!」
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そう言うが否や、
私の腕を取って、
はやくはやく!!と、
急かすように走り出した。
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正面玄関の前で、
バットを持った2人は、
イチ、ニ、と声を合わせて素振りを始めた。
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″付き合って″なんて言われても、
ボールがあるわけじゃないし、
2人が丁度見える位置にあったベンチに、
そっと腰を下ろした。
*
2人が15分ほどそれを続けて。
少し、疲れたような声を出し始めたから、
スポーツドリンクでも取ってこようかと、
立ち上がって、伸びをしたら。
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「先輩!」
「ん?」
「どこ行くんですか?」
「すぐ帰ってくるよ(笑)」
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目ざとく、光安くんに見つかってしまって。
ふふ、と笑いながら背中を向けたら、
また、元気な声が聞こえてきた。
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