maybe, i love… (ページ10)

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夜、窓を開ける。

『…夏の匂いがする。』

ふと向こう側を見ると

黒い屋根の家が目に入る。

廉くんもまだ起きてるのかな。

部屋の電気がついてるのが見えて、

本当に近くに住んでるんだって自覚する。

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覗き見しないでねって、

もうちょっと念押ししたほうがよかった？笑

なんて。笑

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廉くんは

嵐みたいな人だと思った。

初めて会ったのは、すぐそこの公園。

アホだ、と、初対面で罵られた。

それからは、

毎日のように追いかけっこ。

廉くんと会わない日はないんじゃないかって。

紫耀先輩とさえ、

毎日は会えないのに。

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寝る前に、クローゼットを開けた。

制服のカーディガンの色を変える。

鞄には、

少し香水をつけたハンカチを忍ばせた。

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少しドキドキ、ワクワクする気持ちは

何に対して？

誰に対して？

そんなことわからないまま眠りにつく。

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そして翌朝、

鏡の前に座って、

普段はつけないリップを付けた。

髪の毛も、少しいじってみる。

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紫耀先輩に可愛く思われたいから。

そんな想いより

今日も廉くんに会うのが楽しみ

無意識の内に

そんな気持ちが大きかった。

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