if... 2013 〜広島V2記念作品〜 6

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トモ、淳矢、周作が正式に移籍を発表した数日後、航平の結婚式は滞りなく進んだ。


Aも強化部長とのミーティングに参加していたおかげで、覚悟は整っていたみたいだ。


発表があった日の夜は涙をためてベッドにこっそり入ってきたけど、落ち込む様子はなかった。


披露宴でも自然とみんな笑顔になる。


栞｢あ、千葉さんとAちん、タイの色とドレスお揃い！｣


千葉｢かわいいっしょ？｣


A｢よくわかったね！それよりしーちゃんすっごい綺麗だよー！｣


栞｢ありがとー！もっと言って！｣


それよりって！


確かにしーちゃん綺麗だけど。


でもフォーマルなドレス姿のAも新鮮でめちゃくちゃ可愛い。


さっきからトシの視線が警備員並に光ってる。


寿人｢栞さん、航平よろしくね｣


栞｢寿人さん！なおさんも！今日はありがとうございます！｣


A｢なおさん！久しぶりだね！リーくんレオくんも！｣


Aはお爺さんみたいな人から寿人さんの息子まで、楽しそうに挨拶をこなす。


みんなに可愛がられて育ったんだって実感する。


航平｢森脇くんたちは二次会から来てくれるから！リーグ終わってから話してないっしょ？｣


A｢うん……｣


航平｢大丈夫、普通にしてな｣


千葉｢俺が空気作ってあげる｣


Aは嬉しそうに頷くと、また知らない人に呼び止められてテーブルを周った。


寿人｢トシ、Aについて周れよ｣


なお｢トシくん、Aちゃんに指輪のひとつくらいさっさと贈っとかなきゃ！こういう場は石のついた指輪してたら男よけになるんだから！｣


青山｢……そうですね｣


なお｢思ってない顔だ！もー、はやくより戻して結婚しなよー！｣


青山｢ついて周りますね｣


あの作った顔で寿人さんとその奥さんまで黙らせたトシは、Aの後を追った。


公認カップルなんだな……。


岳人｢千葉くん、凹まないでくださいね｣


千葉｢凹んでねーわ｣


岳人｢指輪、先に千葉くんが贈っちゃえばいいのに｣


千葉｢どーかな……｣


後で良太来るなら要相談かな。


笑い合いながらテーブルをまわる2人に目をやった。


めでたい席なんだから笑ってて当たり前なんだけど、寂しかった。


トシがドレス姿のAを自然にエスコートするのも意外だった。


誰かの結婚式の度にこうして2人でまわってたんだろうって思い知らされる。

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