夜空を見上げる鮫と月 part１０ (ページ10)

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戦場ページ10

ス「・・・さっきも説明したが、Aのリングは希少だ。それを敵の白蘭は狙っている・・・だがリングだけじゃねぇ。」

　「・・・。」

俺はAを見つめながら話す。

　
　ス「リングを扱えるA自身も狙ってるんだ・・・今やボンゴレは敵によって壊滅状態だ。いつどこから今のAを狙って来るか分からねぇ。」

Aは俺の言葉に少し表情を強張らせる。

そりゃそうだろう。

この時代のAはすでに死んでしまっていると
聞かされているのだ。

不安に思わないはずが無い。

　ス「・・数日後に俺達は敵のイタリア主要部隊を殲滅に行く。」

　「・・・敵の・・・殲滅・・・。」

全世界で行われているボンゴレへの攻撃。

俺達ヴァリアーはイタリアの主力戦に
向かう事が決まった。

今も戦場では敵とボンゴレの連合ファミリーとが
戦っているだろう。

　ス「Aには俺達と一緒に戦場に来てもらうつもりだ・・・。」

　「！」

　ス「心配すんな。Aは戦わねぇ。俺達ヴァリアー全員で戦場に向かうんだ。ここに居てもAを守れるヤツが居ねぇからな。一緒に行動した方がAを守れるんだ・・・。」

そう。

数日後に俺達が向かう戦場にはヴァリアー全員で向かう。

そうなるとここにAが残ってもAを守護する
ヤツが居ないのだ。

それならば俺達と一緒に戦場に居た方がAを
守りやすい。

特に戦場ではボスが一番動かないので、ボスの近くに
居た方が一番安全だ。

　ス「A・・・。」

俺はAに近づき抱きしめる。

　ス「俺達が・・・守ってやるからよ・・心配すんな・・・。」

　「・・・うん・・・。」

俺はAを抱きしめながら話しかける。

十年前のAはかなり小さく、抱きしめれば
俺の腕の中に簡単に収まってしまう。

この時代のAも敵に狙われていた時、かなり
不安になっていたが、今のAもそうとう不安に
思っているだろう。

俺は少しでもAの不安を取り除いてやりたくて。

しばらくの間、Aを抱きしめ続けた・・・。