夜空を見上げる鮫と月 part１０ (ページ47)

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洗脳ページ47

白蘭 side

　白「Aちゃん、君のボスは誰だい？」

　「・・・白蘭様です・・・・。」

僕の目の前に立つボロボロの彼女は僕に言った。

　
　白「よし。洗脳は上手くいったようだね・・・。本当はAちゃん自身が自分の意志で僕の物になって欲しかったけど。」

　「・・・・。」

Aちゃんを見下ろせば彼女の眼は
正気を失っている。

　白「でも、炎とボックスを扱えるAちゃんを手に入れるのは初めてだし、これくらいは仕方ないか。やっと手に入れたよ。」

僕はAちゃんのベットに腰掛け
独り言のように話し続ける。

手を招いてAちゃんを呼べば
僕の隣に腰掛け体を寄せた。

　白「本当にAちゃんはいつも僕の手の届かない所に居るよね。手に入れても魂が壊れちゃってて反応が無い時ばかりだしそもそも生きてない時だって多かったんだから・・・。」

「・・・。」

僕は隣に座るAちゃんの頭を撫でる。

１０年前のAちゃんは小さいし可愛い。

こんな小さな体で月の運命を背負っているのだ・・・。

その姿は儚くて美しい・・・。

月は夜空に浮かぶ孤高の星。

その輝きは美しく、人々を魅了する力を持つ。

しかし、

月という物は満ち欠けをくり返す。

姿を現したり姿を消したり・・・

そのため月の炎を持つ人物は不安定なのだ。

精神的に強い刺激を受けるとその魂は簡単に
壊れてしまうし、心を閉ざしてしまう。