暗殺者だから ページ45
白「ははは♪もう姿が見えないや。でも、月の守護者であり、暗殺業をしてきたAちゃんには僕の居場所が分かるんじゃないかい？」
「・・・・。」
そう、白蘭の言う通り。
私には白蘭がどこに居るのかこの暗闇の中でも
よく見えていた・・・。
それは私が今まで生きて来た環境から得た経験・・・
微かな呼吸音や物音から敵の位置を察知し本人も
気が付かないうちに命を奪う。
暗殺者の私だからわかる事・・・。
「・・・！」
暗闇の中で黒豹が私の足に擦り寄る・・・。
私は恐る恐る頭を撫でた。
この子もきっと敵の位置が分かるのだろう・・・
白蘭が居る方向を見つめている・・・。
「・・・。」
私はいつものように気配を消す。
この暗闇の中、気配を消した私を見つける事が
できる人間はほとんど居ないだろう・・・。
白「まさに、今のAちゃんの為に存在しているかのようだよ。今までも月のリングの守護者は存在していたけど、誰もこのリングを使いこなせる者は居なかった。もともと希少なリングだし、月の守護者もその運命から生き延びる事も少ない・・・だからAちゃん、君は奇跡で存在しているんだ。」
「・・・・。」
私は話に夢中な白蘭を捉えながらゆっくりと
移動する・・・。
白「そんなAちゃんが存在するこの世界は僕からしたら本当に特別な世界だ。僕はそんなAちゃんが欲しい・・・。７3を手にする事はどの世界でも達成出来ていたけれど、Aちゃんを完全に手に入れる事は難しくてね・・・。」
「・・・・。」
白「Aちゃんは月の運命によってどの世界でも幸せとは言えない生活をしていた・・・月は人を魅了する。それは良くも悪くも人に目を付けられやすい。生まれた環境からしてほとんどが大人になる前に魂が死んでしまっていたよ。」
白蘭は話し続ける・・・。
私は気配を消しながら白蘭の背後に周り込んだ。
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作者名：猫のこたつ | 作成日時：2019年8月2日 9時
