夜空を見上げる鮫と月 part１０ (ページ41)

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寂しい笑顔ページ41

Aside

気が付けば長い時間、
私は涙を流していたようだ。

窓の外を見上げれば、そこには綺麗な月が輝き、
月の光が私達を静かに照らしていた。

　ユ「私は白蘭を止めなければなりません・・・。」

　「・・・。」

私の感情が収まり、涙も止まった頃。

ユニは私を抱きしめながら話し出す。

　ユ「まだしばらくは先程の空間にいるつもりです。今、自分の体に戻っても再び白蘭に魂を壊されてしまうかもしれない・・・。」

ユニはゆっくりと私から離れて立ち上がると、首から
下げているおしゃぶりを両手で包み込むように
抱えた。

私も頬を伝う涙を拭うと立ち上がる。

　ユ「Aさん。今のあなたは完全な魂。心を手に入れました。あなたならこれから訪れる危機も乗り越えられるでしょう。」

　「・・・・・。」

　ユ「自分を信じてください・・・そして。あなたを大切に想ってくれている人達がたくさんいる事を忘れないで・・・。」

ユニは寂しそうな表情を私に向けた後、
小さく笑ったのだった。