ポケット ページ30
Aside
「・・・ん・・。」
目を開けるとそこは白い部屋だった。
一瞬病院かと思ってしまったがよく見れば
白を基調とした作りの豪華な部屋だった。
「・・・・。」
私は体を起しながら思い出す。
そうだ私は・・・
白蘭に連れて来られてしまったのだ。
それで・・・
自分で頭に拳銃を構えて撃った。
それなのに・・・。
生きている・・・。
「・・・。」
私がこの世界に来た時。
この時代の私は死んでいた。
何があって死んでしまったのかは分からなかったが、
未来の自分は１０年後には死んでしまうのだと知って。
今の私が生きていてもそんなに変わらないと
思ったのだ。
死ぬのが１０年早いか遅いかの違い。
それに私がこの世界で生きている事で、敵に利益を
もたらしてしまうくらいなら死んでしまった方が良いと
あの状況で思ったのだった。
それなのに・・・
私は死ねなかったようだ・・・。
「・・・・。」
スクアーロのあの時の顔を思い出す。
皆は無事だろうか・・・。
「・・・！」
辺りを見渡しながら自分を見れば、
洋服が変わっていた。
真っ黒なシルクのワン ピースを着ている・・・。
白い部屋で私の姿はとても目立っていた。
「・・・。」
私はポケットを確認する。
よかった。
それはちゃんとポケットに入っていた。
白「やぁ♪起きたかい？」
「！」
その時。そんな声が聞こえ扉が開き、部屋に白蘭が
入って来た。
私は驚きながらもベットから飛び降り距離を取って
身構える。
しかし炎が出ないこの状況・・・。
最悪の状況だった・・・。
白「そんなに警戒しなくても大丈夫だよ。言っただろう？僕はAちゃんと仲良くしたいんだよ。」
「・・・・。」
私は白蘭を睨みつける。
そんな敵のいう事を素直に信じる訳にはいかない。
白「Aちゃんは特別だからね。是非とも僕に力を貸して欲しいのさ♪」
「・・・特別・・・。」
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作者名：猫のこたつ | 作成日時：2019年8月2日 9時
