夜空を見上げる鮫と月 part１０ (ページ3)

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夢ページ3

良く見ると彼はいつもと違い、私が
見た事も無いデザインの隊服を着ている。

新しく作ったのだろうか？

それになんだかスクアーロの雰囲気も
違うように見える。

髪も・・・さらに長いような・・・？

　「・・・スクアーロ・・・？」

　ス「っ！！！」
　

　「！？」

私が硬直したまま動かないスクアーロに再び名前を
呼ぶと、スクアーロは突然私に抱き着いた。

いきなりどうしたのだろうかと疑問に思った時、
やはり違和感を感じる。

今まで何度もスクアーロに抱き着かれてきたが、
私の体はここまですっぽりとスクアーロの腕に
収まっていただろうか？

まるで私が一回り小さくなってしまったように感じる。

　ス「Aっ・・・」

　「スク・・アーロ・・・？」

スクアーロは腕に力を込めて抱きしめる。

私がスクアーロを見上げるとスクアーロの表情は
何故か苦悶に満ちた表情だった。

苦しそうで辛そうな表情。

彼のこんな顔は見た事も無い・・・。

　ス「夢・・・じゃねぇ・・・な・・・。」

　「・・・？」

スクアーロはしばらく私を抱きしめていたが、やがて
ゆっくりと体を離すとそう言った。

夢？

夢なんかではない。

私は確かにここに存在していて、

買い物の帰りの途中だったのだが・・・。

やはり意味が分からなくなり混乱する。

　ス「A・・・愛してるぜ・・ずっと・・・お前が居なくなっても・・・。」

　「・・・・。」

スクアーロは私の頬を手で優しく撫でながら優しそうな
瞳を向ける。

スクアーロが私に向けるその手は

微かに震えていた気がした。