捜索 ページ32
私はそんな事を考えつつ、
１人、スクアーロの姿を思い浮かべる。
「・・・・。」
スクアーロが・・・・負傷。
あのスクアーロが、負傷する事なんて
あるのだろうか？
私はそんな事、考えられなかったが・・・。
もし、本当にどこかで
怪我をして動けない状態だったら・・・。
今もどこかで
１人、苦しんでいるのだとしたら・・・。
マ「僕、探して来るよ。念写すればすぐ見つかると思うし。大きな負傷だとしたら早くしないと間に合わなくなるかも・・・・。」
マーモンはボスへの報告を終えると、そう言って
部屋から出て行こうとする。
「・・・・。」
マ「！・・・A？」
私はそんなマーモンを見て、読んでいた本を閉じ
席を立った。
私が立ち上がると、マーモンは少し驚いた様子で
私の方を見つめ名前を呼ぶ。
「・・・。」
ザ「・・・。」
立ち上がった私は黙ったまま、すぐ隣のボスへと
視線を向けた。
しかし。
立ち上がったは良いものの、私はどうしたらいいのか
よく分からなかった。
マ「A、もしかして・・・スクアーロを一緒に探しに行きたいのかい？」
「・・・・。」
ザ「・・・・。」
すると、マーモンが黙って立ち尽くす私に
話しかけて来る。
スクアーロを探しに行く。
私はその言葉に反応するように、黙って頷いた。
スクアーロがどこかで苦しんでいるかもしれない。
そう考えた途端、私の心の奥の何かが反応した。
その、心の奥にある何かよく分からない塊は、
心臓と一体化しているようにドクドクと脈打つ。
その塊が、一体何なのか。
私にはよく分からない。
それでも、
私はその何かに、突き動かされたのだ。
ボスがスクアーロを探しに行くよう、私に命令するなら。
私は、スクアーロを探しに行く。
マ「ボス、どうだい？Aの意志みたいだけど。Aも連れて行っていいかい？」
「・・・・。」
マーモンが私の近くに寄ってきてボスに言った。
マーモンも私を連れて行く気になっているようだ。
ザ「・・・・。」
「・・・・。」
ボスはしばらく黙って私を見つめていたが・・・
ソファーから立ち上がると部屋の扉へと歩き出した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 30人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：猫のこたつ | 作成日時：2019年7月30日 10時
