反射行動 ページ17
男「お前は捨てられたんだよ小娘！」
男「今までいろいろやってくれたなぁ？」
男「ここで死んで詫びやがれ！！」
男達はそう叫びながら、私に向かって
突っ込んでくる。
「・・・。」
これは・・・
あの日と同じだ。
私はあの日、自分の死を受け入れた。
狭い部屋に追い込まれて、敵の攻撃を受け瀕死の状態。
あの日。
私を買った雇い主は、私を使い捨てにして囮に使った。
私は捨てられてしまったのだ。
雇い主がいなくなった。
それは私にとって自由では無く・・・
死を意味していた。
捨てられてしまった道具は、もう使われる事は無い。
つまり、それは私にとっての死であった。
「・・・・。」
私は何も得る事なんてできずに、この世を去る。
それでも。
私を買った人の役に立てていたのなら・・・。
生まれて来た意味があったかな。
男「死ねぇ！！！」
「・・・。」
男が私に向かってナイフを振りかざす。
私は何もせず、黙って目を閉じた。
しかし。
ズガンッズガンッ！
男「ぎゃぁあああ！！！」
「・・・？」
鳴り響く銃声に、目を開ける。
目の前には血飛沫を上げながら倒れる男と、
拳銃を構えている私。
気が付けば襲い来る男を、私は撃ち殺していた。
・・・なぜ？
・・・どうして？
そう混乱している間にも次々と激情した
男達が私に襲い掛かる。
ズシャア！！ズガンッ！！
「・・・。」
男達の叫び声と銃声が部屋に響く。
私の体は勝手に男達を殺していく。
それは私の体に染み付いた生き残るための反射行動。
体は生き残りたいと思って居たのか。
それとも私が思って居たのか。
分からないけれど、気が付いた時には
敵は皆死んでいた。
しかし。
「・・・・。」
私の体からは血が止まらない。
このままではどうせ死んでしまうだろう。
薄れゆく意識の中、誰かの視線を感じながら
私は床に崩れ落ちた。
「・・・。」
瞬きをした瞬間。
再び景色が回り出す。
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作者名：猫のこたつ | 作成日時：2019年7月30日 10時
