黙ってた ページ36
「・・・・。」
私はそんなルッスーリアを見て、机の上の
書類の山にそっと手を置く。
ル「・・・バレちゃったわね。」
「・・・・。」
ルッスーリアは私を見てそう言うと、書類が散乱
しているソファーに座り込んだ。
ルッスーリアは私を見て、バレたと言った。
スクアーロの仕事が貯まっていた事は私には
秘密になっていてようだ。
「・・・・・。」
なぜ、私には秘密にされていたのか。
なぜ、私には仕事が全然回って来なかったのか。
私はその理由が知りたくて、何か知っている様子の
ルッスーリアへと視線を向ける。
ル「Aちゃん、黙っててゴメンなさいね。スクアーロがAちゃんには言うなって言って・・・・。」
「・・・・。」
私がルッスーリアを見つめていると、ルッスーリアは
そう言って私に謝る。
やはり・・・スクアーロの指示だったようだ。
今、ここに溢れている未処理の仕事は、今までの私が
スクアーロの指示で片づけていたものだ。
そんな仕事が、私に回って来なくなるとしたら。
スクアーロがそう指示したとしか思えなかった。
ル「スクアーロはね・・・Aちゃんの事が心配なのよ・・・。」
「・・・・。」
ルッスーリアはそう言って黙っていた私に
話しかけて来る。
ル「Aちゃんの事を本当に大切に思っているわ・・・。」
「・・・・。」
私は話を続けるルッスーリアを見つめ返す。
ル「スクアーロだけじゃないわ。ここに居る皆がAちゃんの事を心配してる・・・。あなたの事が大切なのよ。」
「・・・・。」
私の事が・・・
大切・・・？
私は所詮、使い捨ての道具だ。
それなのになぜ、大切にされるのか。
心配されているのか。
私は別に、心配されるような事になっていない。
いや、そもそも・・・
心配されるような存在ではない。
ル「Aちゃんは・・・スクアーロの事心配かしら？」
「・・・・。」
そんな事を考えていると、ルッスーリアは私に
質問する。
スクアーロの事が・・・心配？
そう言われて、私の心の奥が再び反応する。
・・・心配・・・・。
そう、私は心配したのだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 30人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：猫のこたつ | 作成日時：2019年7月30日 10時
