夜空を見上げる鮫と月 part６ (ページ10)

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鞭ページ10

　デ「お前達はなんだ・・・。」

　男「へへへっ。キャバッローネのボスさんよぉ。女とデートか？随分余裕な休日だなぁ。」

　男「お前を殺れば報酬が出るって言われてねぇ・・・」

　「・・・。」

男達はそう言いながら武器を構える。

どうやらこの男達はキャバッローネのボスである
ディーノを暗殺するために送り込まれた雇われの
殺し屋達らしい。

　「・・・・。」

今日、ディーノは護衛も付けずに一日中
街中を歩き回っていた。

そんなディーノを見て、殺し屋達は今がチャンスと
やって来たのだろう。

　デ「目的は俺か・・・A、隙を作るからお前は離れろ。」

　「・・・。」

武器を取り出した男達を見て、ディーノは私に小声で
そんな指示を出す。

私は少し悩んだが、黙ってディーノの指示に頷いた。

彼はあのキャバッローネのボスだ。

私なんかの手を借りずとも、あんな奴ら
なんとかできるだろう。

逆に私が居る事で彼の邪魔になるかもしれない。

そう考えたのだ。

　「・・・・。」

私はディーノの指示通り、ディーノの居る場所から
距離を取り、少し後ろに下がる。

そんな私を見たディーノは持っていた鞭を取り出すと
構え、男達を見据えた。

　男「やっちまえぇ！」

　男「殺せぇぇえ！」

鞭を構えたディーノを見て、男達は叫びながら
こちらに突っ込んでくる。

　デ「うぉぉおおおっ！！！」

ディーノも叫びながら持っていた鞭を男達に
向かって振り上げる。

しかし・・・

　シュルシュル・・ギュルルルル・・・ギュッ！！

　デ「うをっ！？」

　「！！！」

ディーノが男達目掛けて振った鞭は、なぜか彼の足に
絡みついた。

絡みついた鞭はディーノの足の自由を奪う。

そのせいで、ディーノはバランスを崩し、そのまま地面に
倒れ込んでしまった。

　「・・・・・・。」

　男達「・・・・・・。」

そんなありえないような光景に男達も
思わず立ち止まる。