プレゼント ページ8
Aside
ケーキを食べ終えた私達はふらふらと
目的も無く街を歩く。
私は店を出た後も彼と一緒に行動していた。
今日はディーノも特に用事が無いらしく、
部下が迎えに来るまで暇らしい。
デ「A！プレゼントだ。受け取ってくれ！」
「・・・」
そんなディーノの声を聞いて、私は立ち止まる。
ディーノと街を歩いていると、彼はプレゼントと
言って私に多くの贈り物をプレゼントして来る。
最初のプレゼントは淡い黄色のワン ピースだった。
しかも、
その場に居た店員にあっと言う間にそのワン ピースを
着せられてしまった為、私は今、ディーノがプレゼント
してくれたワン ピースを着ている。
「・・・・。」
可愛いワンピースを見下ろし、視線をさらに下げると
足元でフリルのリボンが可愛い、白色のサンダルが
顔を覗かす。
このサンダルもディーノがプレゼントして
くれたものだ。
「・・・・。」
街中を通り過ぎた風で私の髪が揺れる。
そんな髪から香るのは爽やかなベルガモットの
良い香り。
ディーノがプレゼントだと言って私に振りかけてくれた
香水は髪や体を包み込んだ。
そして今回は・・・
デ「Aはバラは好きか？俺は好きだ。赤いバラは情熱的だからな。」
「・・・。」
そう言ってディーノは私にバラの花束を差し出した。
私は花束を受け取り、頷く。
その花束は５本の真っ赤なバラで出来ていた。
「・・・・。」
私は花が好きだ。
綺麗で美しいし、可愛いものも多いから。
デ「はははっ。そうか。やっぱり素敵な女性には花が似合う。」
「・・・。」
ディーノは優しい笑顔で私を見つめる。
私を見つめる彼の瞳にはいつもの姿とは違う
無表情の私が立っていた。
けれど・・・・
「・・・・。」
彼は私を買い被り過ぎだ。
私が素敵な女性であるはずが無い。
私が綺麗であるはずが無い。
こんな素敵なプレゼント、私が受け取る資格など無い。
デ「A・・・・。」
「・・・。」
私が黙ってディーノを見つめていると、ディーノは
私の長い髪を手に取り優しく口づける。
太陽がだんだんと傾き、夕暮れが近づく。
女「あの方、素敵な方ねぇ・・・。」
男「彼女も綺麗だ・・・。」
女「あの男性カッコいいわぁ・・・。」
「・・・。」
街を行く人々は私達のこんな光景を遠くから眺め見て、
口々に話していた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 39人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：猫のこたつ | 作成日時：2019年7月29日 4時
