理由 ページ6
Aside
黒い高級車から降りると私は目の前の
お店を見る。
「・・・。」
そのお店はとてもお洒落な外見をしていて、華やかで
可愛らしく、まさに女性が好みそうなお店だった。
こんな華やかな場所に私みたいな人間が居ても
良いのだろうか。
ロ「それじゃあ、ボス。何かあったら呼んでくれ。」
デ「あぁ。わりぃなロマーリオ。」
「・・・。」
ディーノが車から降りると、部下さんはそう言って
そのまま車で帰ってしまった。
どうやら、部下さんは同行する気はないらしい。
マフィアのボスが何の護衛も付けず歩き回って
大丈夫なのだろうか？
デ「ほら、A入ろうぜ？」
私がそんな心配をしているとディーノは優しい笑顔を
浮かべ私を見つめる。
そして、お店のドアを開けると先に私を
店内に入れた。
「・・・・。」
どうやら彼はレディーファーストまで完璧らしい。
こういう扱いを受けるのは慣れていないので
少しソワソワしてしまう。
しかし、
「・・・・！」
そんな感覚も、目の前に並ぶケーキを見てすぐに
忘れてしまった。
ガラスのショーケースに所狭しと並んでいるケーキは
とてもお洒落で美味しそう。
それに、どれも可愛いので食べるのをもったいなく
感じてしまう程だった。
店「・・・こちらへどうぞ。」
「！」
そんなケーキを眺めていると店員がやって来て
私達をテーブルに案内する。
デ「Aは何頼むんだ？」
「・・・。」
テーブルに着くと、彼はそう言って私に
メニューを差し出した。
私はメニューを受け取るとメニューに目を通す。
「・・・・・・。」
私はかなり悩んだが、フルーツのタルトと
アールグレイの紅茶を頼む事にした。
ディーノも自分の分を決めたのか店員を呼び、
ケーキを注文する。
デ「前に調べて思ったんだが、Aみたいな可愛い子がヴァリアーに居るなんて驚きだったぜ。」
「・・・。」
私が先にテーブルに届いたアールグレイを
飲んでいるとディーノが話し出す。
綺麗な色の紅茶を眺めていた私はそんな
ディーノの声に視線を彼へと向けた。
可愛い子？・・・・私が？
「・・・・・。」
彼は一体、何を言っているのだろうか。
私が可愛い子であるハズ無いのに。
デ「なんでAはヴァリアーに入隊したんだ？」
「・・・。」
そんな事を考えているとディーノは話を続ける。
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作者名：猫のこたつ | 作成日時：2019年7月29日 4時
