パティスリー ページ5
Aside
私がディーノを引き連れ城門まで行くと、そこには
ディーノの部下らしき人物が立っていた。
ロ「ボス！遅いから心配したぜ！」
その人はディーノの姿を見つけると彼の元まで
駆け寄って来た。
デ「わりぃなロマーリオ。城がデカすぎて、道に迷っちまった。」
ロ「またかよ！だから中まで一緒に行くって言ったのによ・・・。」
「・・・。」
部下とディーノの会話を聞くに、ディーノが迷子に
なるのはいつもの事らしい。
やはり、ディーノは少し抜けているのかもしれない。
デ「A！悪かったな道案内させちまって、助かったぜ。」
「・・・。」
部下さんとの会話を終えるとディーノは私の方へ
振り返り、話しかけてきた。
私の方を向いたディーノは私の頭を
ぽんぽんと叩く。
「・・・・。」
最近思うのだが、私の頭は撫でやすいのだろうか。
身長が・・・低いから？
よくこんな事をされている気がする。
デ「そうだ！A、今日はこの後何か予定あるのか？」
「？」
そんな事を考えているとディーノは私を見下ろし
尋ねた。
私は静かに首を横に振る。
今日は仕事が休みで、特に何の用事もなく。
暇を弄んでいたのだが。
・・・どうしたのだろうか。
デ「お。休みか？俺、これから近くのパティスリーに行くんだ！案内のお礼もあるし、一緒にどうだ？」
「・・・。」
なんと、彼は案内をしたお礼にパティスリーに
連れて行ってくれるらしい。
私はどうしようかと悩んだが。
「・・・・。」
ディーノを見上げ、黙って頷いた。
部屋に戻ってもやる事も無い。
読みかけていた本も別に続きが気になる訳では無いし。
甘いケーキも・・・・食べたい。
デ「よし！じゃあ行こうぜ！」
「・・・。」
そう言うと彼は私を車へとエスコートする。
そんな彼の行動は女性の扱いに慣れているように
見える。
まさにイタリア人らしい。
デ「じゃあ、頼んだぜロマーリオ。」
「・・・。」
そんな事を考えながら車に乗ると、部下に運転を任せ、
私の隣にディーノも乗り込んだ。
パティスリーに向かう間、ディーノは車の中で
いろんな事を話してくれた。
沢田綱吉の話。
リ ボーンの話。
自分のファミリーの話。
「・・・・。」
楽しそうに話を続ける彼を見つめながら
私は黙って頷きつつ、彼の話を聞き続けた。
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作者名：猫のこたつ | 作成日時：2019年7月29日 4時
