お昼 ページ39
Aside
昨日と同じく、強い日差しが私を照らす。
私はそんな太陽を目を細めながら見上げた。
べ「今日も暑くね？王子耐えられないんだけど・・・。」
「・・・。」
その声に隣を見れば、ベルの額からは汗が
流れ落ちている。
ヴァリアーの隊服は黒色で統一されており、
熱を集めやすいのか着ているとかなり暑い。
私もベルと同じく、流れる汗を拭い続ける。
「・・・。」
数時間前。
楽しい所に連れて行く。と言ってベルに手を引かれ
付いて行けば、辿り着いたのは楽し気な音楽が流れる
ゲームセンターだった。
私とベルはそこで様々なゲームをした。
敵を玩具の銃で打ち倒すシミュレーションゲームや、
たくさんのお菓子を動くバーで倒すお菓子のゲーム。
さらには可愛いぬいぐるみが景品となっている
言わばユーフォ―キャッチャーなど、様々だ。
お店のゲーム機を遊びつくした後、お店を出た私達は
他に目的も無く街中をふらふらと歩き回っていた。
昨日も暑かったが、今日も暑い。
照り続ける日差しは力を弱める気配は無い。
日が傾き、夕方になるまでこの暑さは続くのだろう。
「・・・・。」
そろそろ・・・どこかで涼みたい。
そう思って居ると。
べ「しししっ。俺腹減った。朝も食べて無いし、メシ食おうぜ？」
「・・・。」
私は時刻を確認する。
時計を見れば、もうお昼過ぎだった。
「・・・・。」
朝、朝食を食べようと部屋を出た所で私はスクアーロに
会い、その後すぐベルに連れ出されてしまった為に、
私は結局、朝食を食べ損ねたのだ。
なので、私もお腹が空いている。
丁度休憩もしたかったし、どこかお店に入ろうと考え
私は賛成の意味を込め頷く。
べ「しししっ♪そうこなくっちゃ。じゃあ、行こうぜ？」
「・・・？」
私が頷くのを見るとベルはいつものように
しししっと笑う。
そして、私の手を取るとベルは進む方向を変えた。
「・・・・。」
何かお店の当てがあるのだろうか？
べ「やっぱり、ジャッポーネと言ったら・・・・アレだろ？」
「・・・？」
私が疑問に思っていると、ベルは怪しげに笑う。
ベルに手を引かれ私は歩く。
「・・・・・。」
私の手を引き、少し先を歩くベル。
そんな彼の頭の上で。
日差しを浴びたティアラが、キラリと光った。
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作者名：猫のこたつ | 作成日時：2019年7月29日 4時
