夜空を見上げる鮫と月 part６ (ページ37)

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外出ページ37

Aside

閉じていた目に光を感じ、私はそっと目を開ける。

「・・・。」

目を覚ますとそこには見慣れない天井。

私は一瞬、自分がどこに居るのか分からなくなり
混乱する。

しかし、

そんな混乱も一瞬だった。

　「・・・・。」

・・・そうだ。

私は日本に居るんだった。

寝ぼけながらに思い出すのは昨日の事。

そして・・・・昔の・・・ハヤトの事。

　「・・・。」

ハヤトは大きくなった。

学校で再び出会い、一緒に過ごしても全然気が
付かなかった。

それに、あの頃の事を私は忘れていたのだ。

あの時は私も生きているのがやっとだった。

いつも笑って。

明るく過ごした。

そうしなければ生きていけなかったから。

そんな生活の中でハヤトと出会って、今思えば
彼は私の生きる支えになっていたと思う。

キョウダイが居ない私にとって、ハヤトは唯一の
キョウダイのような物だった。

まさか・・・・

こんな形で再会するとは思っても見なかったが。

私は再びハヤトに会えて・・・・嬉しかった。

「・・・。」

私は懐かしい記憶を思い出しながら身支度を整える。

そして隊服に着替えると、朝食を取るために部屋を出た。

すると・・・

　ス「う゛ぉぉぉぉおおい！！A！！！」

　「・・・。」

廊下に響き渡った大きな声。

その声は私の名前を呼ぶスクアーロのものだ。

私はそんな声を聞いて立ち止まり、振り返る。

　ス「A・・・まさかお前まで勝手に出歩くとは思わなかったぜぇ・・・・？」

　「・・・・・・・。」

スクアーロは私の目の前まで来るとそう言って
私を見つめる。

スクアーロは笑っているように見えるが・・・

眉間にはシワが寄り、額には血管が浮き出ている。

　「・・・・・・。」

そういえば昨日、ディーノと一緒に外出した時。

私は、誰にも言わずにホテルを出て来てしまった。

　ス「う゛ぉおい！！どこで、何をしてたんだぁ？！」

　「・・・。」

そう言って叫ぶスクアーロを私は黙って見つめる。

昨日はディーノと沢田の家に行って・・・

そして・・・

獄寺隼人が昔の友人だった事を思い出しました。

と、心の中で返答する。