夜空を見上げる鮫と月 part６ (ページ34)

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シアワセページ34

俺達はその日から裏路地で
毎日会うようになった。

歳も近かったからか、仲良くなるまで
時間は掛からなかった。

俺達は毎日いろんな話をする。

そんな中で、俺はAについて様々な事を知った。

Aは母親と二人暮らしをしているという事。

Aは毎日稼ぎを得るために物売りをしている
という事。

そして・・・

　獄「Aっ！その痕・・・。」

　「あぁ。コレ？」

Aの体には毎日のように新しい痣が出来ていた。

痣だけじゃない。

切り傷や火傷なんかもできていた。

それから分かる事。

それは、Aは虐待を受けているという事だ。

　「あははっ。これくらい大丈夫だよ？」

　獄「大丈夫じゃねぇーだろ。なんで抵抗しないんだよ！」

Aはどんな事があっても笑っていた。

Aが笑っていない日を俺は見た事が無かった。

その笑顔は何かを隠すように顔に張り付いている。

　「大丈夫だってばー。心配性だなーハヤトは。」

　獄「お前・・・・。」

Aはいつも笑っていた。

そして、

いつも・・・同じ事を言っていた。

　「私はシアワセだよ？ハヤトがこうやって私と仲良くしてくれるだけでも十分なんだから。」

　獄「・・・。」

Aはいつもそうやって笑っていた。

そんなある日。