跳ね馬 ページ3
「いてててて・・・なんで、何もない所で転ぶかなぁ・・・。」
「・・・。」
その人はむくりと起き上がると頭を押さえている。
転んで床に頭でもぶつけたのだろうか。
「ん？お前は・・・もしかしてAか？」
「！」
後ろからその人に近づくと、その人は私に気が付いた。
そして、私を見つめると私の名前を出す。
私は驚きながらその人を見つめ返した。
私は初めて会うのだが、この人物は私の事を
知っているようだ。
素性の分からない人物に少し警戒しながらも
私は手を差し出す。
すると彼は私の手を借りて立ち上がった。
デ「おう！わりぃ！俺はディーノって言うんだ。よろしくな！」
「・・・・・。」
彼はそう言うとそのまま私の手を握り、
握手をする。
「・・・・。」
・・・・ディーノ。
私は彼の名前を頭の中で反芻し記憶を探る。
彼のその名前を私は聞いた事があったのだ。
頭の中で何度も名前を繰り返し呟き、
思い出した情報。
「・・・・・。」
この人・・・・
キャバッローネファミリーのボスだ。
笑顔を向け、私の手を握り続ける彼を私は凝視する。
キャバッローネファミリー。
ボンゴレファミリーとは同盟を組んでいて、
双方の関係は良好。
九代目との仲が良く、ボンゴレで対応しきれない事や
情報共有など様々な所で関係があるファミリーだ。
デ「ははは！本当に無口で無表情だな。調べた情報と一緒だぜ。」
「・・・？」
私がいつもと変わらず無表情でいると、彼は突然
笑いだしそんな事を言った。
調べた・・・情報？
彼は私の事を調べていたのだろうか？
デ「A、ツナの所に居た時期あっただろ？お前の情報をリ ボーンに教えたの、俺なんだ。」
「！」
彼のその言葉に私は驚く。
そして思い出されたのは私が日本で
仕事をしていた時の事だ。
あの時。
日本で初めて出会った沢田達には、私がヴァリアーで
あると言う情報は伝えていない。
それは、何かのきっかけで私がヴァリアーである事が
敵にバレてしまう事を防ぐ為だった。
しかし。
一体、いつから情報が漏れていたのか分からないが、
リ ボーンだけは私がヴァリアーである事を知って
いたようだ。
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作者名：猫のこたつ | 作成日時：2019年7月29日 4時
