香り ページ15
初めてディーノと出会った時も
思ったが。
スクアーロの話を聞く感じ、ディーノは
かなり残念な人なのかもしれない。
「・・・・。」
もしかしたら何か理由があるのだろうか・・・
ス「A、跳ね馬に何もされてねぇか・・・？」
「・・・。」
怒鳴られているディーノを眺めながらそんな事を
考えていると、話を終えたスクアーロが私の方へ
向き直り話しかける。
私はスクアーロの言葉に黙って頷く。
しかし・・・
ス「・・・・・。」
「・・・・？」
スクアーロは眉間にシワを寄せ、私を見下ろした。
ス「着ている服も靴もいつもと違ぇじゃねぇーか。・・・どこで着替えたんだ。」
「・・・。」
そう言ってスクアーロは険しい表情になる。
ス「・・・それに・・・これはベルガモットか？」
「！！」
スクアーロは私の長い髪を少し手に取ると
自分の鼻に近づけ、匂いを嗅いだ。
血と火薬の匂いもついているのに、スクアーロは
ベルガモットの香水の香りを嗅ぎ分けたようだ。
ス「・・・本当に何もされてねぇんだな・・・？」
「・・・。」
私の様子を伺い続けるスクアーロ。
私は黙って頷き、返事を返す。
今の私の格好はディーノが私にプレゼントして
くれたもの。
本当にただ、それだけ。
それにこの恰好をするのも今日、一日の限定だ。
だって・・・・
こんな可愛いもの達は、私には似合わないから。
ス「・・・はぁ・・・あんまり心配かけんじゃねぇーぞ・・・。」
「・・・。」
デ「・・・。」
スクアーロは溜息を付きそう言うと、倒れている男達に
近寄り様子を見る。
そして無線機でどこかと連絡を取り出した。
きっと、この男達を運ぶ手はずを整えているのだろう。
デ「・・・A。良かったな。」
「？」
私がそんなスクアーロを少し離れた所から
眺めているとディーノが私に近づき言った。
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作者名：猫のこたつ | 作成日時：2019年7月29日 4時
