閉じ込める ページ43
彼女は今まで１人で過ごして来た。
苦しみ、悲しんでいるのに、それを隠して。
１人で過ごし続けて来た。
そして、そんな彼女は自分の死を望んでいた。
それは彼女が誰にも言わなかった秘密だった。
僕はそんな彼女の秘密を知った。
知っていたのは僕だけだった。
だから・・・
僕の前では・・・
彼女は嘘や秘密を隠す必要は無いのだ。
雲「・・・。」
しかし、彼女はまた新しい秘密を作っている。
彼女の雰囲気を見る限り、その秘密は今までの物よりも
深刻になるような物ではないようだけれど。
それでも彼女は僕に何か秘密を隠している。
僕は・・・
その秘密が知りたかった。
ゴロゴロゴロ・・・・
雲「・・・。」
「っ・・・・。」
彼女はまだ少し、僕の腕の中で小さく震えている。
彼女が秘密を教えてくれるまで
このまま腕の中に閉じ込めてしまおうか。
僕は彼女を抱きしめながら、そんな事を考える。
・・・そうすれば彼女は教えてくれるだろうか？
雲「・・・。」
僕がそんな事を考えているなんて、
彼女は思ってもいないだろう。
恥ずかしがり、頬を染めて俯く彼女。
彼女は僕の存在を強く求め、ワイシャツを強く
握りしめ続ける。
彼女が僕を求める時。
それはいつも、助けを求めている時だけだ。
そして、それは彼女にとって深い意味は無い。
たまたま、偶然。
そこに僕が居ただけ。
雲「・・・。」
僕はそんな彼女に振り回されているのかもしれない。
彼女の秘密を知りたくて。
彼女を自分のそばに置き、
話せない彼女の表情を伺い。
こうやって、彼女を抱きしめている。
今までの僕からは、考えられないような事を
僕はしているのだ。
本当に僕らしくない。
それでも・・・。
雲「・・・。」
僕は彼女を抱きしめる力を少し強めた。
暗い図書室に響く雷鳴。
空を駆け抜ける電光が僕達の影を時々作る中で
僕は彼女の震えが収まるまで
腕の中に彼女を閉じ込め続けた。
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まくすうぇる(プロフ) - 雲雀さんアレ？惚の字のアレ？(･∀･)ﾆﾖﾆﾖ (2020年8月18日 20時) (
レス) id: db32ad90f1 (このIDを非表示/違反報告)
チノちゃん(プロフ) - やべぇ、ひばりんかっけぇ！勇者じゃん！こんな彼氏が欲しかった。 (2020年8月17日 22時) (レス) id: 5e7e485832 (このIDを非表示/違反報告)
猫のこたつ(プロフ) - チノちゃんさん» コメントありがとうございます！そんな風に言っていただけるなんて嬉しいです( *´艸｀)今後ともよろしくお願いします！ (2020年7月13日 17時) (レス) id: d3f62d5375 (このIDを非表示/違反報告)
チノちゃん(プロフ) - うわぁぁぁ！神ですか!? (2020年7月13日 15時) (レス) id: 5e7e485832 (このIDを非表示/違反報告)
りん - 最高です！更新楽しみにしています！ (2020年5月29日 12時) (レス) id: 277ca17f95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猫のこたつ | 作成日時：2020年5月11日 14時
