小物の群れ ページ2
雲雀 side
僕は目の前の大きな扉を開け、勝手に屋敷の中に入る。
広く、豪華な装飾がなされている玄関ロビーに
扉の開く音が鳴り響いた。
男「おい！誰だ貴様！！」
男「ここに何しに来た！！」
雲「・・・・・。」
玄関ロビーに鳴り響いたその音を聞いて、
複数の男達が叫びながら僕を取り囲む。
僕はゆっくりと立ち止まると、僕を取り囲む男達へと
視線を向けた。
僕を取り囲む男達は皆一様にスーツ姿で、
屈強な体格をしている。
そんな彼らは、かなり怪しい集団だった。
僕はそんな男達を軽く睨みつける。
雲「・・・。」
３時間前、副委員長から連絡があった。
僕が応接室を出る時に副委員長に出した指示。
それは彼女の目撃情報を収集する事だった。
家に居なかった時の事を考えて、先に指示を出して
おいたのだが、やはり彼女は家におらず。
さらに調べさせていた彼女の目撃情報は出てこなかった。
しかし。
その代わりに出て来た情報が、ここの情報だった。
副委員長が調べた所によると、この屋敷はここ最近、
怪しいイタリア人が高額な金で買い取った屋敷だと言う。
その情報通り、今、僕が居る玄関ロビーには大きな
シャンデリアが下がり、床は赤い絨毯が敷き詰め
られている。
男「お前みたいなガキが来て良い所じゃねぇぞ。」
男「それとも、痛い目見ないとわからねぇのか？」
男達はそう言いながらゲラゲラと笑いだす。
雲「うるさい・・・君達みたいな群れてる小物に興味はないよ。」
僕がそう言うと辺りは静寂に包まれ、男達は表情を
変える。
群れる事しかできない小物に、僕は興味なんてないのだ。
僕は、僕を睨み付ける小物の群れを眺める。
彼女の目撃情報は見つからなかった。
しかし、
怪しいイタリア人が居ると言う情報と彼女の家にあった、
人質を取り、脅し文句のあるイタリア語の手紙。
それらを繋ぎ合わせた結果。
ここに彼女が居るのではないかと僕は考えていた。
きっと、この屋敷のどこかに。
彼女がいる。
男「クソガキ！！黙って聞いてりゃあ！！」
男「やっちまえっ！！！」
雲「・・・。」
すると、数人の男達が僕に向かって突っ込んで来る。
こんな戦い方しかできないヤツ、どう見ても
小物じゃないか。
雲「・・・。」
僕は自分のトンファーを取り出すと、
男達に向かって構える。
屋敷の玄関ホールに小物達の断末魔が響いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 210人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まくすうぇる(プロフ) - 雲雀さんアレ？惚の字のアレ？(･∀･)ﾆﾖﾆﾖ (2020年8月18日 20時) (
レス) id: db32ad90f1 (このIDを非表示/違反報告)
チノちゃん(プロフ) - やべぇ、ひばりんかっけぇ！勇者じゃん！こんな彼氏が欲しかった。 (2020年8月17日 22時) (レス) id: 5e7e485832 (このIDを非表示/違反報告)
猫のこたつ(プロフ) - チノちゃんさん» コメントありがとうございます！そんな風に言っていただけるなんて嬉しいです( *´艸｀)今後ともよろしくお願いします！ (2020年7月13日 17時) (レス) id: d3f62d5375 (このIDを非表示/違反報告)
チノちゃん(プロフ) - うわぁぁぁ！神ですか!? (2020年7月13日 15時) (レス) id: 5e7e485832 (このIDを非表示/違反報告)
りん - 最高です！更新楽しみにしています！ (2020年5月29日 12時) (レス) id: 277ca17f95 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：猫のこたつ | 作成日時：2020年5月11日 14時
