浮き出た言葉 ページ10
雲「・・・。」
僕は手元の「また明日」と書かれたメモを
そっと指でなぞる。
そのメモはペンの痕が付き、少しざらついていた。
雲「・・・・・。」
僕は机の上のペン立てから鉛筆を取ると、
彼女のメモを優しく塗りつぶす。
雲「・・・・。」
彼女が最初に僕に伝えようとした言葉。
それは彼女の手によって隠されてしまった。
「また明日」の字が、少しずつ塗りつぶされて
読めなくなる。
彼女はあの時、僕に何を伝えようとしたのか。
最初に書いた、その言葉こそ、
彼女の本心なのではないのか？
雲「・・・！！」
その時。
僕は塗りつぶす手を止めた。
うっすらと浮かび上がったその言葉。
それは、このメモの上に書かれた最初の言葉。
雲「・・・・・。」
僕は席を立つと、副委員長に一言だけ指示を出し
応接室を出た。
僕は校門へ行くために廊下を早足で歩く。
雲「・・・・。」
一階の廊下を歩いていると、見えて来たのは中庭。
雨が降り続ける中庭にふと視線をやると、
彼女が世話をしていた花壇が見える。
雲「・・・・・。」
昼間に見たあの花は、なぜか頭を下に向け
うなだれている。
元気が無く、萎れ始めているその姿は、俯き表情が
見えない彼女と似ていた。
雲「・・・。」
僕は彼女のメモを握りしめる。
鉛筆で優しく塗りつぶして浮き出た言葉。
彼女が僕に伝えたかった本当の言葉。
そのメモには一言。
「助けて」
そう、書かれていた。
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猫のこたつ(プロフ) - コメントありがとうございます。忘れてしまっても大丈夫ですよ。「雲月」の話とはあまり関係ありませんからね。それに、私はあなたが読んでくれた事を覚えていますから。いつも、私の話を読んでくれてありがとうございます。今後もよろしくお願いします。 (2020年4月2日 5時) (
レス) id: d3f62d5375 (このIDを非表示/違反報告)
まくすうぇる(プロフ) - しばらくして忘れる未来が見えました(o･д･) (2020年4月2日 4時) (レス) id: db32ad90f1 (このIDを非表示/違反報告)
まくすうぇる(プロフ) - どうしましたコレ？ (2020年4月1日 19時) (レス) id: db32ad90f1 (このIDを非表示/違反報告)
まくすうぇる(プロフ) - ？ (2020年4月1日 19時) (レス) id: db32ad90f1 (このIDを非表示/違反報告)
猫のこたつ(プロフ) - あーちんさん» 小説お読みいただきまして、ありがとうございます！コメント凄く嬉しいです！今の世の中、少し大変ですが皆で乗り越えて行きましょうね。今後も「雲月」を楽しんでいただけるよう頑張ります！ (2020年3月28日 17時) (レス) id: d3f62d5375 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猫のこたつ | 作成日時：2020年3月21日 20時
