雲が聴くのは月の歌 part３ (ページ6)

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倒れページ6

「おいっ！！大丈夫か！！」

　「誰か、先生呼んで来いよ！！」

　「しっかりして！！」

　雲「・・・？」

そんな声が廊下に響き、騒がしくなった。

　・・・何かあったのだろうか。

　獄「？」

彼もそんな異変に気が付き、意識が僕から逸れる。

　獄「っ！！おい！！待てよ！話が終わってねぇ！！」

　雲「・・・。」

僕は怒る彼をそのままに、応接室を出る。

身に覚えの無い事を一方的に突き付けられて
僕はうんざりしていた。

そんな事よりも、先ほど聞えた生徒達の声の方が
気になっていた。

何か問題があったなら僕が動かなければならない。

　雲「？・・・！」

廊下へ出ると、階段の近くで生徒達が何かを
取り囲んでいた。

群れてる事に僕は苛立ったが、群がる生徒達の隙間から
見えたその景色に僕は一度、怒りを忘れる。

　雲「君達・・・何してるの。」

　全「！！！」

僕が群がる生徒達に近づき、そう声をかけると生徒達は
驚き固まってしまう。

僕はそんな生徒達を無視し、生徒が取り囲んでいた
中心へ近づく。

　雲「・・・。」

　
　「っ・・・・・。」

そこに居たのは、呼吸が乱れ、苦しそうにして
倒れている彼女、Aの姿があった。

僕は彼女をゆっくりと横向きに抱きかかえる。

その体はぐったりとしていて、体温が高いように
感じた。

　獄「っ！！A！！！」

　雲「・・・。」

僕が彼女を抱えて立ち上がると、先ほどの彼が
驚いた表情で駆け寄って来る。

どうやら僕の後を追ってきたようだ。

彼は僕の腕に抱かれる彼女に呼びかける。

しかし、彼女は苦しそうな表情でうなされていた。