雲が聴くのは月の歌 part３ (ページ34)

今日:39 hit、昨日:18 hit、合計:78,765 hit

叶えられないページ34

彼にも迷惑をかけてしまっている。

授業に出ず、仕事で使っている応接室に
長い時間居座り続けて。

熱を出して倒れたり、

疲れてソファーで寝てしまったり。

雲雀さんは何も言わないけれど確実に
迷惑をかけてしまっている。

私がいるから・・・

今までの日常が崩れている。

　「・・・・。」

私は空を見上げる。

片目で見上げた空はいつもよりも狭くて
良く見えなかった。

　「・・・。」

ずっと願っていた私の願いはそう簡単に
叶わなくて。

でも自分では叶えられなくて。

私はずっと苦しんでいた。

でも・・・

もう・・・。

終わりにした方がいいのかもしれない。

　「・・・。」

隼人を傷つけたくない。

でも・・・もう遅い。

私は隼人と出会ってしまった。

隼人と仲良くなってしまった。

だから・・・

どんなに頑張っても隼人を傷つけてしまうだろう。

それなら・・・

もう・・・いっその事・・・

早く。