雲が聴くのは月の歌 part３ (ページ31)

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仕事仲間ページ31

雲雀 side

僕は応接室の窓から外を見る。

外では雨が降っており、校庭のグラウンドに
水溜まりが出来ているのが見えた。

　草「？・・・委員長・・・彼女は・・・・。」

　雲「・・・。」

僕がそんなグラウンドを眺めていると、応接室に
書類を届けに来た副委員長が僕に話しかけて来る。

僕は後ろを振り返り彼を見る。

彼は彼女の定位置であるソファーを見ていた。

　雲「さぁ。知らないよ。昼に購買へ向かってから帰って来ない。」

　草「・・・。」

僕も同じようにそちらを見る。

彼女の定位置であるソファーに彼女の姿は無い。

すでに昼休みは終わり、午後の授業が始まっている。

しかし

彼女は応接室を出て行ったきり帰って来なかった。

副委員長はこの場に居ない彼女を疑問に
思っているようだ。

　雲「・・・・。」

彼女がこの部屋に居る事が当たり前になりつつある。

話す事は出来ないし、日本語も書けないけれど自分に
できる範囲で仕事を手伝う彼女は同じように僕の補助を
している副委員長にとって、今では重要な存在に
なっているようだ。

　雲「・・・。」

僕も・・・

同じだった。

彼女が仕事を手伝い出してから僕の負担は
軽くなっている。

今では彼女に任す仕事も増えてきているので
僕は自分の仕事に集中できていた。

しかし。

そんな彼女は今、ここに居ない。

一体、どこで何をしているのか。

もしかして、教室に戻っている？

いや・・・・・

ここ最近の彼女の表情を見る限り、その可能性は低い。

彼女は未だに1人で過ごしたいと思っているようだった。