雲が聴くのは月の歌 part３ (ページ19)

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一番大切なページ19

獄寺君が複雑そうな表情で
屋上へ来た日。

あの時、獄寺君は雲雀さんにも
会っていたと言う。

そして雲雀さんに言われた事を話してくれた。

俺はその話を聞いて・・・

何も言えなかった。

俺達はAちゃんを心配していた。

だけど、一番大切なAちゃんの気持ちを聞いて
いなかったのだ。

話を聞かないヤツの所に一緒に居ようと思う
ヤツは居ない。

雲雀さんはそう言ったらしい。

・・・心当たりしか無かった。

Aちゃんが１人で居ようとした理由。

それは俺達がAちゃんの話をちゃんと
聞かなかったから。

山本も心当たりがあったようで複雑そうな
表情をしていた。

理由はどうであれ、俺達はAちゃんの気持ちを
無視してしまっていたのだ。

声が出なくて話せないAちゃんの気持ち。

これからはちゃんとAちゃんの気持ちを
聞いてあげようと俺達は話し合ったのだ。

　「・・・。」

俺達がフォローでAちゃんにそう話すと
Aちゃんは驚きながら俺達を見ていた。

今までの俺達だったら、１人で食べるより皆で
食べた方がいいと言ってAちゃんを屋上へ
連れて行っていただろう。

しかし、皆で食べた方がいいという考えは俺達の
考えであって、Aちゃんがどう思って居るかは
ちゃんと聞かないと分からない。